1章「新しい旅先」
1話「マサラタウンの少年」
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ュウは、全身から得意な電撃を放ち、鼻提灯を出しているサトシに浴びせた。その電撃を受けたサトシは、全身が伸び縮みを繰り返しながら、言葉にならない悲鳴を出した。電撃が終えると、彼の髪はアフロ状となり、全身は黒焦げになっていた。ピカチュウの電撃を受けるこれは、毎回行っている彼らのコミュニケーションと言うべきか悩むが、彼らなりの触れ合い方なのだ。二人が共に旅をしてから、この1年以上、ずっとこのようなことを何百、何千回以上と行っている。そのせいか、通常の人間なら既に目を覚ましたり、体が痛みと痺れでまともに動けないのだが、サトシはというと。
「いぃぞ〜、ピカチュ〜ウ〜。10マ〜ンボルトだぁ〜」
再び、鼻提灯を作り寝ていた。その姿を見たピカチュウは、本日三度目となるため息をつく。そんなサトシを見てピカチュウは、(サトシは、まだ早起きが出来ない変わりに、僕の電撃に耐性が付くばかりだ。どうしたものやら)と悩んでいるような顔をした。そうしていると、ピカチュウの耳が突然、何かに反応した。
「!」
何かが部屋に近づいて来ることに気付いたピカチュウ。だが、その反応を聞いて少し喜んだ表情になった。ピカチュウは、ロフトから降りて部屋のドアの前に立つと。ドアが開き、一人の人間が入ってきた。入って来ると、そのまま寝ているサトシに近づいた。
「こぉ〜ら、サトシ」
サトシに話しかける大人の女性。いつまでも、寝ているサトシを揺さぶり、起こそうとする。
「いい加減、起きなさい!」
「ん・・・うん?あれ、・・・ポケモンバトルは?」
やっと目覚めたサトシは、夢から現実に引き戻されたが、まだ寝ぼけているようだ。
「何が、ポケモンバトルよ。いい加減、目を覚ましなさい」
そんなサトシの姿を見て、少し怒った顔をして強めに話すと。
「あ、ママ」
「ママじゃありません。もう朝よ。11歳にもなって、まだ一人で起きれないの?!」
「ご、ごめん」
「全く、もう」
この女性は、サトシの母親である。名前は、ハナコといい、年齢は今年で30歳となる。
「ほら、目覚まし時計片付けてから、顔洗って来なさい。朝ご飯、出来てるわよ」
両手を腰に当てて、サトシにそう告げると。足元で見上げるピカチュウに目を向けた。
「さぁ、ピカチュウ。ポケモンフーズの準備が出来てるからね」
「ピッカー!」
それに喜ぶピカチュウは、返事すると部屋を出て一階へ降りて行った。サトシの母親も後に続いて出て行く。
「ハァ〜」
大きな欠伸をしたサトシは、起き上がり、ロフトの階段をゆっくり降りていく。そして、先程投げた置き時計の残骸の前でしゃがみ込んだ。
「ハァー、やっちゃたな。・・・ごめんな」
サトシは、時計にそう謝ると、残骸を1つ1つ拾い集め、ビニール袋に入れていく。集め終わると、袋ごとゴミ箱に捨てた。それから、一階
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