暁 〜小説投稿サイト〜
<ポケットモンスター トライアル・パレード>
1章「新しい旅先」
1話「マサラタウンの少年」
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<サトシの旅がはじまって一年後>

カントー地方にある、山に囲まれた田舎町<マサラタウン>。
時刻は、朝日が山を超え、温かい日差しで町を照らしている時間。その光に照らされ人々やポケモン達は目を覚まし、新しい一日を迎えていた。
その町に、ある1つの二階建ての一軒家。その二階にある部屋から、電子音が鳴り響いていた。その部屋では、一人の少年が鼻提灯を作り、いびきをかいて寝ていた。彼が、サトシだ。
そこは、サトシの部屋でロフトベットのある仕様だった。壁には、ポケモンの<ヒトカゲ・ゼニガメ・フシギダネ>のポスターをはじめ、ポケモン関連の壁紙や写真などが貼られている他、ポケモンの人形やフィギュアがあり、ポケモン関連の本がある本棚や机、いろいろなポケモンバトルの大会で手に入れたトロフィーやメダルが並べられた台などと、ポケモン好きの彼らしい部屋模様だった。だが、部屋は床も含めて余り片付けられておらず、散らかっていた様だ。そんな部屋で、先程からヘッドボードに置かれたモンスターボール型目覚まし時計が、アラームを鳴り続けているのに対して、一切起きる気配がないサトシ。そのサトシの体に僅かに掛かったタオルケットに、1つの膨らみが出来ている。暫くすると、その膨らみは動き出し、目覚まし時計を目指した。タオルケットから黄色い小さな腕が飛び出し、必死に時計を触ろうとした。
すると、サトシが寝ぼけながら、起き上がった。その拍子に、タオルケットが引っ張られ、黄色い手の正体が顕になった。それは、でんきタイプのねずみポケモンであり、サトシの相棒ピカチュウだった。タオルケットから抜け出たピカチュウは、一回自分の頭を振るうと、寝ているサトシに向かい「ピカピカ」と話しかける。どうやら、早く起きるように言っているのだ。だが、ピカチュウの言葉が聞こえていないのか。サトシは、上半身を起こしながら、まだいびきをかいていた。その姿を見て、ピカチュウは呆れた顔をしながら、ため息を出す。
「よぉ〜し、行くぞぉ〜」
すると、サトシが突然、寝言を言うと、腕を伸ばして右手で目覚まし時計を掴んだ。
「ピッ・・・ピカピカ、ピカチュウ!」
その状況を見たピカチュウは、すぐに慌てた声で、サトシに話かけ何かを注意している。その言葉は、寝ぼけているサトシへ伝わる訳がなく、ピカチュウの注意を無視して、彼は。
「キミに・・・決めた!」
彼のよく使う決め台詞を発しながら、腕を大きく振るい、モンスターボールこと置き時計を壁へ向かってスイングした。その結果は、ピカチュウが恐れていた通り、時計はバラバラのガラクタへと姿が変わり、床に転がった。
「ピーカー」
時計の成れの果てを見たピカチュウは、頭から汗を流し、再度ため息を付いた。そして、少し怒った顔つきに変え、サトシへ向き直った。
「ピィカァーチューウ!!!」
ピカチ
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