第三章
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」
「お前がなってもいいから行くって言うのなら止めなかった」
父はこれまた強い声で話した。
「しかしそこで思い止まって行かないならな」
「それならか」
「それでいい、もうな」
「ああ、吉原には行かないさ」
亀吉は確かな声で話した。
「女房と一緒にな」
「暮らしていくか」
「そうするな」
「ならそうしろ」
「それで店の仕事やっていくな」
亀吉は真面目な声で言った、そして実際にだった。
彼は二度と吉原には行かなかった。それは彼の仲間達も同じだった。だが毎年だった。
和太の命日には彼の墓に皆で参った、そうしてだった。
亀吉は手を合わせてから仲間達に話した。
「いい人だったな」
「全くだ」
「だからこそ残念だ」
「余計にな」
仲間達も言った、瘡毒になった彼のことを思って。
馬鹿息子 完
2022・4・18
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