小さな意志
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済活動だって言っただろ? つまり金の話だ。じゃあ、お前の専門じゃねえか。金しか言えないお前なんだからちゃんと出番を作れよ」
「待て待て待て。それではまるで私が金の事しか何時も言ってない人間にしか聞こえないではないか」
「その通りだよ!!」
皆のツッコミにシロジロは視線をハイディに向ける。
「私は金の事だけか?」
「……いや〜ん! シロ君! それは私の口からは言えないかな〜」
うむと謎の頷きをしてから真っ赤になってくねくねしているハイディから視線を逸らし、再びトーリの方に向く。
「聞いたか、つまり、私は金の事しか話していないわけではない───本当に貴様はそんな事も理解できない馬鹿だな! 一円の価値もない馬鹿め!」
「偶にお前の芸風、俺を超える時があるよなぁ」
確かにと思うが、そこはそれ。
いい加減真面目にやりなよという視線に流石に答えるシロジロ。
「───臨時生徒会を開く」
この場合権限者の不信任決議。
生徒会は勿論のこと、総長連合ですら力を取られている。
だからこそ、唯一、権限をまだ持っている本多正純の不信任決議をし、呼び寄せ、そして出来るならこちら側に引き込む。
それが唯一の方法だと。
「つまり、お膳立てはしようと思えば、既に何時でも出来るという事だ。解ったか馬鹿」
「Jud.Jud.まぁ、何だ? つまり───」
その時に全てを決めろって言うわけだなとトーリは言葉にはせずに、視線でシロジロに問うた。
それに対して、シロジロは沈黙を選ぶことによって、答えた。
ふぅとトーリは溜息を吐きながら、次にシロジロから窓際の席で足を組んで目を閉じている少年───熱田の方に視線を向けた。
「そうだな……そろそろお前との約束も始めなきゃいけねぇよな」
「……ああん? 何、意味あり気に呟いてんだよ?」
そして二人が苦笑する。
その事に何も知らない周りのメンバーが疑問を抱くが、熱田が手の平をひらひらと振るだけで何でもないという意思を作った。
「ま……やるんなら、とっとと早めにするんだな。時間は待ってくれないし、それに剣神は気が短けぇんだよ」
「へいへい───だが一つだけ言わせてくれよ」
「……何を」
ああと何故か意味深な真面目さを発揮したトーリ君を皆、気持ち悪いものを見るような目で見ながらトーリの行動を注視する。
そして何を思ったのか、トーリは急に窓際のカーテンを取って、自分に巻いて、そのままぴょんぴょんと跳ねながら教卓の上に横たわって、そして言った。
「んーー! ぎょーーーざっ」
全員でトーリを殴り飛ばした。
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