暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第七十一話 詰所の中その三十

[8]前話 [2]次話
「もうそれで」
「私がいるからなの」
「はい、もうそれで充分ですから」
「私がいても何にもならないでしょ」 
 首を傾げさせてしまいました、思わず。
「別に」
「いやあ、僕の場合はそれで充分なんです」
「私がいたらなの」
「詰所にいたら」
「そうなのね」
「また詰所に泊めてもらう時ありますけれど」
「もうそれ決まってるのね」 
 やれやれと思いました、本当にこの子はおぢばに馴染んでいるというか馴染み過ぎている感じがします。
「そうなのね」
「駄目ですか」
「駄目っていうか図々しいからね」 
 どうしてもこう思ってしまいます。
「泊めてもらうとか」
「おぢばで遊んで色々見て回って帰りが遅くなったら」 
 その時はというのです。
「そうさせてもらっています」
「詰所に入ってなのね」
「そうです」
「それ去年からしていてなのね」
「今年もそうさせてもらう時がありますね」
「宿泊費出してなのね」
「食費も出して」 
 そうしてというのです。
「お風呂も入らせてもらっています」
「もうボディーソープとかもあるのね」
「そうなんですよ」
「本当に馴染んでるわね」
 ある意味感心しました。
「新一君も」
「大抵二階にいますんで何かあったら呼んで下さいね」
「呼ぶことないと思うわよ。ただね」
「ただ?」
「詰所はもうこれで紹介終わりだけれど」
 七階で、です。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ