第五百九話 歌も歌いつつその十四
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「立派ではあるな」
「何か有り難くない立派ですね」
「そうだな、しかしだ」
「俺の生命力はですか」
「かなりだ」
このことは事実だというのだ。
「そのことは間違いない」
「そうですか、ただ俺が仮面ライダーになったら」
どうなるか、智樹もそれはわかった。
「絶対に今以上にとんでもない目に遭いますね」
「それは否定しない」
左も正直に答えた。
「俺もな」
「そうですよね」
「俺も何度か死にそうになっているが」
「俺なんか毎回ですね」
「死にそうになる」
間違いなくというのだ。
「君だとな」
「君は戦闘力は低いしね」
フィリップは智樹のこのことも話した。
「かなりね」
「その分もあって」
「ライダーになったら」
その時はというのだ。
「凄いことになるよ」
「毎回死にかけますか」
「そうなるよ」
実際にというのだ。
「だからならない方がいいよ」
「絶対にならない方がいい」
那月は真顔で答えた。
「君はライダーにはな」
「今も噛まれてますし」
「あうーーーー」
たえが何時の間にか彼の頭をそうしている、智樹はその状態になっていてそのうえ那月に言葉を返した。
「不幸に愛されてますね」
「そうだからな」
「お金があっても不幸な奴っているんだな」
大和も知ったことだった、一連の戦いの中で。
「それ以上に何かとある奴が」
「昔は何もなかったんですよ」
智樹は元の等身になって苦笑いで答えた。
「それがです」
「今はか」
「はい、その前から俺何かとあったんですが」
「余計にか」
「そうなんですよね」
そうした状況だというのだ。
「俺の場合は」
「やっぱり不幸に愛されてるな」
「あの」
椿は智樹に真顔で申し出た。
「悩みがおありならです」
「聞いてくれますか」
「私でよければ何でも」
こう申し出るのだった。
「そうして下さい」
「悩みはないんですよね」
「困っているだけですか」
「はい、悩みと言えば不幸が去って欲しいことです」
「それは無理ですね」
椿はきっぱりとした口調で答えた。
「貴方の場合は」
「そうなんですね」
「もうどう見てもです」
引いた顔になっての言葉だった。
「貴方の不幸はです」
「尋常じゃないですか」
「常に疫病神が憑いてる様な」
「それもとびきり強いのがですね」
「そうです、ですから」
それでというのだ。
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