第一章
[2]次話
乱暴だった母猫が
合わせて六匹、両親と子猫達でだった。
父親は黒猫で母猫は白と黒の八割れだ、四匹の子猫達は皆母親そっくりだった。その猫達を見てだ。
喫茶店をしている難波行雄は猫達を保護したボランティアの人達に尋ねた。穏やかで優しい感じの初老の男性だ。
「山の中にですか」
「はい」
ボランティアの人は難波に答えた。
「一緒にいました、どうも野良ではなくて」
「誰かに飼われていましたか」
「保護した山は前から猫や犬を捨てる人が多くて」
そうしてというのだ。
「定期的に入っていますが」
「では」
「はい、この子達もです」
「以前は飼われていたんですね」
「子猫達は産まれて二ヶ月位ですが」
「親猫達はですね」
「そうだと思います」
以前は飼い猫だったというのだ。
「世の中そんな人もいます」
「生きものを捨てる人がですね」
「はお、それでなのですが」
「六匹共引き取ります」
難波はボランティアの人達に答えた。
「そうさせてもらいます」
「そうしてくれますか」
「実はうちは猫カフェなんです」
そうした喫茶店だというのだ。
「それでこの子達も」
「お店で、ですね」
「いてもらいます、では」
「はい、この子達もですね」
「一家で、です」
六匹共というのだ。
「引き取らせて頂きます」
「それでは。もう獣医さんには診てもらっていて」
ボランティアの人達は難波に笑顔で話した。
「治療も受けていて去勢や不妊もです」
「手術していますか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「そうした心配はいらないので」
「だからですね」
「大事にしてあげて下さい」
「そうさせてもらいます」
こうしてだった。
難波は猫達を引き取った、そうしてだった。
猫達は一家で彼の店に入った、そこにはもう十匹程の猫達がいてそれぞれ思うままに暮らしていたが。
四匹の子猫、二匹は雄猫でロンとゴンと名付けられ残る二匹は雌猫でハナとミクと名付けられた彼等はだった。
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