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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第五十一話 第五次イゼルローン要塞攻略戦(後)
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れじゃまるで俺が非常勤参謀じゃないか…。
「そう言われると面映ゆいな、だが私はウィンチェスター中佐が修正した作戦案を採用したに過ぎない。功は中佐にある」
「…長官代理が採用なされたから作戦は動き出し、現在に至ったのです。功は私ではなく長官代理のものです」
突然ヤンさんが忌まわしそうに立ち上がった…多分コーヒーの香りに耐えられなくなったのだろう、サイドボードの前で紅茶セットをガチャガチャやり出した。キャゼさんは呆れ顔だ…。だけどそれを潮にして長官公室には和やかな空気が漂い出す…。
「しかしまあ…よくもお前さん、何の遠慮もなしに長官代理の作戦案を修正したな。今頃マイクは泣いてるんじゃないか」
キャゼさんもホッとしたのか、俺にまで呆れ顔を向けてきた。
「まあ…今頃震えているかもしれませんね。しかしローゼンリッターには汚名挽回の場が必要でした。同期としては助けたかったんですよ」
「…名前は出さんが、まあ、そうだな。先陣の名誉か、きついだろうな、ローゼンリッターも」
「はい」
俺達の会話を静かに聞いていたシトレ親父が口を開く。
「諸君、一服は終わりだ。さあ、仕事に戻ろうか」



11月27日00:15
銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊、旗艦ノイエンドルフ、艦隊司令部、
ラインハルト・フォン・ミューゼル

 戦況は絶望的だ。要塞内部には続々と叛乱軍が侵入し絶望的な防衛戦が行われている。要塞守備の兵士達に逃げ場はないのだ。艦隊戦は我々が叛乱軍三個艦隊の後背を突く事に成功したため、どうにか均衡を取り戻した。だが、それだけだ。駐留艦隊との挟撃体勢を構築する事には成功したものの、要塞主砲の脅威が無くなった叛乱軍三個艦隊は両翼が更に突出、駐留艦隊を更に後退させ、中央が後退、此方の攻撃に犠牲を出しながらも反転に成功、我々を押し返そうと躍起になっている。此方は駐留艦隊が既に一万隻を割り込み、我々も六千隻程までに撃ち減らされている。敵は少なく見積もっても尚二万隻を越える戦力を維持しているだろう。
大スクリーンには概略図とイゼルローン要塞が映し出されている。
虚空の貴婦人、イゼルローン要塞…。その前線の兵士が頼りにしてきた気高い貴婦人は、ひどい凌辱を受けた生娘の様な姿をさらけ出していた。凡そ三千隻を越えるであろう叛乱軍艦艇が要塞宇宙港に突入したのだ。多分無人艦であったのだろう、叛乱軍艦艇は容赦なくそこで続々と自爆を開始した。要塞表面に大きな破口が現れ、そこに向けて要塞表面の流体金属層が流れ込む様は、醜悪すぎて二度と忘れないだろう。そして今もその光景は続いている…。

 案惨たる戦闘が続き、静まり返った艦橋の中で、ヒルデスハイム伯の声が響く。遮音力場を使うべきだ、と思ったが、伯は全く意に介さない様だった。
「イゼルローン要塞か。あれがある為に敵
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