暁 〜小説投稿サイト〜
星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第五十一話 第五次イゼルローン要塞攻略戦(後)
[5/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
った?…どうした、読み上げろ、と通信班長の怒声が聞こえる

“し、失礼しました、要塞主砲、射撃不可”

「射撃不可?何だと、何かの間違いではないのか?要塞に再度…」
驚くヒルデスハイム伯が言い終わらぬ内に要塞北半球の陰からまばゆい光が天頂方向に伸びていく。
主砲の発射光?…いや発射されたならその射線には敵艦隊がいる筈、だが艦艇爆発の光球は見えない…。
叛乱軍が要塞主砲に対して何かやったのか…間違いない、何らかの手段で要塞主砲を発射不可に追い込んだのだ…再び北半球反対面が明るく輝いている。

“要塞より通報…敵艦隊接近、着水する模様!”



11月26日20:40
自由惑星同盟軍、総旗艦ヘクトル、宇宙艦隊司令部、
ヤマト・ウィンチェスター


 要塞北半球の陰から、重く眩い光が天頂方向に伸びていく。あれは…

”第八艦隊より連絡…突入成功、尚、要塞主砲の破壊に成功“

あれは…コンデンサのエネルギーが過早暴発した光か。そして突入成功…要塞主砲が死んだとなれば、要塞内部の戦意はガタ落ちだろう。
それにしてもヘクトルの艦橋はもうお祭り騒ぎだ。作戦半ばだというのにベレー帽が宙に舞い、中には涙を流している奴もいる。今まで誰も成し得なかった要塞への突入が成功し、その上主砲まで破壊したのだ、お祭り騒ぎも当たり前か。総参謀長も喜色満面の笑みを浮かべている。
「長官代理、この事を通常回線、平文で第四艦隊に知らせましょう」
「そうだな総参謀長…しばらく頼む。ウィンチェスター中佐、私の自室へ来たまえ」
「はっ」

 長官公室に入って、シトレ親父に言われるままコーヒーの支度をしていると、キャゼルヌさんとヤンさんが入って来た…あれ?コーヒーの支度はヤンさんの仕事じゃないのか?紅茶党のヤンさんは、どんな顔してコーヒーを淹れるんだろう…。
「キャゼルヌ、ヤン両名参りました…やったな、ウィンチェスター」
「ありがとうございます」
「皆かけてくれ」
俺達がソファーに座ると、シトレ親父は大きいため息をつきながら腰を下ろす。そして、深々と頭を下げた。
「皆、よくやってくれた。作戦は未だ途中ではあるが、よくやってくれた。ありがとう」
「長官代理、お顔をお上げ下さい。我々はただ命ぜられたままやっただけです。全て長官代理のお力によるものです」
三人を代表してキャゼルヌさんが口を開いた。首席副官という立場ながら、キャゼさんはギャバン准将を助けて補給計画を切り盛りしていた。ヤンさんはシトレ親父と総参謀長、ハフト准将のペアを相手に今回の作戦のシミュレーションを数十度に渡って繰り返したと言っていた。時には丸二日シミュレーションを続けた事もあったそうだ。俺は思いつくままシトレ親父の作戦案を修正したけど、通常の参謀勤務しかしていない…あれ?こ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ