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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第五十一話 第五次イゼルローン要塞攻略戦(後)
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ゼンリッター《薔薇の騎士》連隊第一大隊、
マイケル・ダグラス

 いよいよか。歯の寝がガチガチ言いやがる。多分ヤマトの奴に違いない、なんて作戦考えやがるんだまったく…。
「野郎共!やっと俺たちの出番が来たぞ!孤空の貴婦人(イゼルローン)のスカートの中身を一番にのぞくのは俺達だ!覗く前に死にやがったら、銃殺だからな!」
「おう!」
「中隊長、貴婦人の下着の色は何色ですかね」
「そりゃあ、まことに神々しい血の色だろうぜ」
「ハハ、そりゃあ覗き甲斐があるってもんだ」
…ありがとう、クリューネカー。
「準備はいいか、野郎共」
「A中隊、人員武器異常なし、降下準備よし!」
「マイク、気張るのは分かるがな、安心しろ。俺が着いてる」
「は、はい」
「何事にも初体験はあるもんだ。まあ俺もイゼルローンは初体験だがな」
「はあ」
「立派な大人になるには儀式が必要て事だ…お前達、連隊長代理はビビってるが、リューネブルクのせいで被った汚名を返上する時がやって来たぞ。生きて帰るぞ、いいな」
「おう!」
皆を見渡し、俺に軽くウインクすると、シェーンコップ中佐(大 隊 長)は自分の降下席に座って鼻歌を歌い出した…なんて人だ、いつも驚かされる。この人には恐怖というものは無いんだろうな。
汚名か…。カプチェランカの戦闘で突然、前連隊長、リューネブルク大佐が逆亡命した。理由は…当然だが判らない。そのせいでというか当たり前の話だが誹謗、中傷の雨嵐だった。元々連隊は肩身の狭い思いをしている。
配属されて初めてわかった事だがもう差別と言っていいだろう。何が自由の国だ、連隊に所属する兵士達が連隊にのみ忠誠を誓うのもよく分かる。リューネブルク大佐が逆亡命したのもそれが理由なんだろうか…大佐は優秀な人だったし、だけどウチの連隊にいる以上は捨て駒と言っても過言ではない扱いだ。優秀な人程耐えられないのではないか。同盟人としても軍人としても先が見えない、ならばいっその事…理由は判らないがそれほど遠くないのかもしれない。

”駆逐艦の援護射撃後、接舷する。突入即時待機、イオノクラフト用意。降下要員は搭乗せよ“

“……接舷、今!降下、降下、降下”


11月26日20:45
銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊、旗艦ノイエンドルフ、艦隊司令部、
ラインハルト・フォン・ミューゼル


 “要塞司令部より通報、…要塞第四五七射出口、第四五九射出口及び五〇ニ射出口より敵兵侵入”

到頭やられた。ここまで用意周到な敵だ、侵入した敵は叛乱軍の最精鋭に違いない。敵の後衛艦隊が要塞北半球の陰に向かった所までは確認できたが…ここからでは概略図でも要塞上空の状況は判らない。

”要塞司令部より通報。…こ、これは“

通信オペレータの声が止まる。なんだ、何があ
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