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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第五十一話 第五次イゼルローン要塞攻略戦(後)
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無慈悲に攻撃を継続する。そのうち突入してきたのが無人艦である事はバレるだろうが、気付いた頃には移動した第八艦隊が長距離砲、レーザー水爆ミサイルで要塞表面に攻撃を開始、更には駆逐艦、単座戦闘艇(スパルタニアン)による近接攻撃で要塞表面の浮遊式の移動砲台や戦闘艇射出口をつぶしていく。計画には要塞主砲そのものへの攻撃も含まれている。帝国軍が此方の三個艦隊に向けて要塞主砲を撃つ事は無いだろうと俺は読んでいる。艦隊戦は展開次第で挽回が可能だが、要塞に取り付かれてしまったら要塞守備部隊に逃げ場は無いからだ。原作では帝国軍による味方殺しが起きたが、それは要塞に取り付かれると後がないという恐怖と艦隊を援護せねば負けるという恐怖という二つの条件が重なって生起した状況だと思っている。という事はその条件が別々に起きれば対処しやすい状況から片付けていくのは自明の理で、高確率で第八艦隊から片付けようとする事は想像に難くはない。それに要塞攻略部隊を近付けない、あるいは主砲で撃退出来れば、いつでも艦隊の援護は可能だ。だが策さえ授けてあれば、主砲の破壊は難しくはない。要塞主砲発射時には主砲浮上と同時に、周囲にエネルギー供給コンデンサが浮上する。それを攻撃すれば主砲へのエネルギー供給が行われなくため、それを攻撃し損傷させるか破壊に成功すれば主砲は発射できない。主砲の浮上地点を確認し、エネルギー供給コンデンサに狙点を固定する。狙うコンデンサはどれでもいいし、狙点が複数になっても一万隻を越える艦艇が一斉に射撃するのだ、コンデンサは無事では済まない…言ってしまえば簡単な事だが非常に難しい。まず要塞に肉薄する事が困難だし、主砲を撃たれるという恐怖に耐えなければならない。そしてその恐怖に耐えて冷静に攻撃を行わなければならない。とても艦隊戦の片手間に出来るものではないのだ。




11月26日19:45
イゼルローン要塞付近、銀河帝国軍、ヒルデスハイム艦隊、旗艦ノイエンドルフ、艦隊司令部、
ラインハルト・フォン・ミューゼル


 してやられた。敵の後方に位置していた艦隊は艦隊戦の為ではなく直接要塞を攻撃する為のものだった。
「並行追撃の裏にこんな手を隠していたとはな。叛徒共め…」
ヒルデスハイム伯が硬く結んだ拳を指揮官席に叩きつける。伯が悔しさを表に現すほど叛乱軍の戦法は単純で効果的だった。艦隊を封じる兵力と要塞攻略用の兵力とに二分する。艦隊を撃破した後ではなく、同時に行う。要塞司令部はどちらに主砲を向けるか迷うだろう。駐留艦隊を救う為に敢えて要塞主砲を敵三個艦隊に向けるか。だがその場合味方も巻き込むのは確実だ。ではもう一方の艦隊に要塞主砲を指向するのか。そうなると駐留艦隊は救えず要塞は丸裸だ。二者択一、俺ならどうするか…
「敵の各艦隊、陣形を変えつつあります、こちらを半
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