235 杉山の動向と敵の姿
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こちらは藤木救出班。かよ子達は夕食の時間として食事が提供されていたのだが、かよ子は食べずにただ羽根を急いで飛ばしていた。
「山田、食べろよブー」
「あ、うん、ごめん・・・」
(杖を取り返したいという焦りがとれないのか・・・。そうであろうな。己の得物を奪われてしまったのでは落ち着く事ができぬのも解らなくはない)
次郎長はかよ子の心情を考察した。
「山田かよ子、飯を食わぬと杖も取り返せぬぞ」
「あ、ごめん、また私おっちょこちょいしちゃって・・・。杖がないと落ち着けないんだ。それに早く終わらせてまた藤木君を捜すのに戻りたいし・・・」
「確かにそうだろうね」
関根も共感した。
「でも、食べた方がいいよお〜。今日は何と言っても餃子だよ〜」
「うん、餃子は最高じゃ!」
まる子と友蔵は幸せそうに食べていた。
「お主らは少し緊張感を持て!」
石松は窘めた。
「そうだよ、ももこちゃん!食べる為にここに来たんじゃないよ!」
のり子も怒る。
「ご、ごめん・・・」
食事を終えた藤木は遊女達と風呂に入る。藤木は遊女から背中を洗われていた。
「あ、茂様、私よりもあの安藤りえ嬢の方が良かったでしょうか?」
「あ、いや、そんな事ないさ!」
「そうですか、妲己様が祝言の日は本日の晩餐以上にもっと楽しませてあげようってお考えになられています。最高の祝言になるといいですね」
「うん、そうだね」
フローレンスが赤軍の西川の回収に現れた時には夕食時となっていた。その場にはさり達護符の所有者達もいた。
「遅くなりました」
「いや、気にしないで。こいつはまだ起きてないわ」
「そうでしたか。ごゆっくり食事なさってくださいませ」
「あ、そうだ」
「はい?」
さりはフローレンスを呼び止めた。フローレンスが振り返り、さりは話を続ける。
「私の従弟なんだけど、私の護符で出した鎖つきの鉄球を渡したの。健ちゃんが道具を持ってないのは辛いんじゃないかしら?」
「従弟思いですわね。理由はあります。三河口健さんには三種の異能の能力が全て備わっています。彼はそれだけでさえ強者です。三河口健さんに相応しき道具は他の皆様や羽柴さりさんのその護符を含みます四つの聖なる道具以上に強力な物が必要になりますのです。それ故に彼を剣奪還班に選抜させまして本部に剣を持ち帰らせましたのです。本来ならばそこで貴女や山田かよ子ちゃん、安藤りえちゃんを本部に呼び出しましてその護符、杖、杯を借りまして作りましょうと思いましたのですが、山田かよ子ちゃんの杖は奪われ、安藤りえちゃんも杯を取られまして彼女も消息不明となってしまいました為に結局できなかったのですが・・・」
「ふうん、私が出した武器、上手く使ってくれたらいいわね・・・」
「ええ、きっと使いこなせま
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