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ウルトラマンカイナ
米国編 ウルトラセイバーファイト 前編
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彼女はアキレスへの対抗心に燃えているのだ。

 ――その時。このニューヨーク基地に、緊急警報がけたたましく鳴り響く。それは、怪獣の接近を報せるものであった。

緊急事態発生(エマージェンシー)! 緊急事態発生(エマージェンシー)! ハドソン川付近に宇宙怪獣が接近中! 各パイロットは直ちに緊急発進(スクランブル)――!』
「……ッ!」
「ふふんっ……どうやら、さっそくその時が来たようね! 行くわよエリー、私達の『理想』を実現するためにッ!」

 整備士達や他のパイロット達が、その警報に動揺する中。冷や汗をかきながらも不敵な笑みを浮かべるアメリアは、自身のBURKセイバーに颯爽と飛び乗って行く。

「くッ……!」

 そんな彼女に続くように、エリーも下半身に巻いていたブランケットを勢いよく脱ぎ捨て、自身の乗機に向かって駆け出していた。露わにされたレオタードの食い込みに、男達がおおっと声を上げる。

『さぁ……全世界に見せてあげるわ! このアメリアが、パパのBURKセイバーが、ウルトラアキレスを超える瞬間をねっ!』

 そして、ニューヨーク基地に配備されていた全てのBURKセイバーが、滑走路に並び発進準備を整えた時。戦闘機隊を率いる若き女傑は、舌舐めずりしながら操縦桿を握り締めていた。

 ――それが、屈辱的な敗北への切符であるとも知らずに。

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