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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第127話:弱さは強さ
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ガルド君も強くあろうとなんてしてない! ただ自分が思うままに、自分らしく力を使っただけ! 強いかどうかなんて、気にした事は一度も無いよ!」
続くセレナの言葉に、マリアは胸につかえていた物が取れたような気になった。
セレナとガルドだけではない。仲間の誰もが、自分が思うままに力を使っていた。颯人などその最たるものだ。彼はただ只管に奏を守る為に力を振るっていた。それが結果的に彼の強さとなっただけなのだ。
その事に気付くと、マリアは自然と視界が開けた様な気になった。
「……弱い、そうだ」
「んん?」
立ち上がったマリアの目は明らかに先程とは違う。相対しているガリィはそれに気付き、怪訝な顔をした。
「強くなれない私に、エルフナインとセレナが気付かせてくれた。弱くても、自分らしくある事……それが、強さ!」
エルフナインは戦えない身でありながら、危険を顧みず勇気をもって行動を起こしマリア達にイグナイトの力を与えてくれた。
そしてセレナは当時、幼い身でありながらも危険を承知で暴走したネフィリムと対峙し、危険を承知で絶唱を口にしマリア達を守った。
2人の在り方がマリアに教えてくれた。大事なのは勇気……心の強さであると。それがマリアに新たな覚悟を与えた。
「ふぅん?」
マリアの心構えが変わった事にガリィも気付いたのか、どこか嬉しそうな笑みを浮かべる。
「エルフナイン! そこで聴いていて欲しい。君の勇気に応える唄だ…………イグナイトモジュール、抜剣!!」
【DAINSLEIF】
満を持しての二度目のイグナイト起動。マリアのめに不安も恐怖も無い。
胸を貫かれ呪いが体と心を苛む。
「ぐ、うぅ――!?」
――狼狽える度、偽りに縋って来た昨日までの私――
「う、うぅぅぅ……そうだ。らしくある事が強さであるなら!!」
「マリアさん!」
「姉さん、負けないで!!」
「私は弱いまま、この呪いに反逆してみせる!!」
弱さを受け入れ、同時に呪いを押し退ける宣言。極まった覚悟に呪いが敗北し、アガートラームのイグナイトモジュールが起動する。
通常状態とは打って変わり黒を主体とした色合いの、何処か刺々しさを感じるギアを身に纏ったマリア。
ガリィはそんなマリアを前に不敵な笑みを崩さない。
「弱さは強さなんて、頓智を利かせ過ぎだって!!」
新たに無数のアルカノイズを召喚したガリィは、呼び出した手勢をマリアに嗾けた。まずはお手並み拝見と言ったところか。
それに対しマリアは、短剣を左腕のガントレットに柄を手首側から装着してアルカノイズに向けた。するとガントレットから短剣がマシンガンの様に次々と放たれ、アルカノイズを穿ち屠っていく。
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