暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第127話:弱さは強さ
[6/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
っていった。




 そんな事が起こっているとは知る由も無く、マリアはガリィとアルカノイズを、ガルドはハンスを相手に戦いを繰り広げていた。

「あぁぁぁぁっ!」

 無数の短剣を投擲し、アルカノイズを次々と屠るマリア。

 そのマリアに向けて、ガリィは錬金術で生み出した水流を叩き付けた。

「くっ!?」

 放たれた水の砲撃をマリアは短剣で作り出したバリアで防ぐ。しかしガリィの砲撃は小さなバリアで防ぎきれるものではなく、マリアは足先から徐々に凍っていった。

――強く……強くならねば!!――

「マリアさん!?」
「姉さん!?」

 遂には頭まで氷漬けになってしまったマリアにエルフナインとセレナが声を上げる。

「――強くッ!!」

 全身氷の中に閉じ込められたマリアは、自力で氷の牢獄を破り外に出た。しかしダメージは大きく、氷から出られた直後その場に膝をついてしまった。

「ぐっ!?」

 砂浜に膝をついたマリアを前に、ガリィは勝ち誇る事をせずそれどころか不機嫌そうに吐き捨てた。

「てんで弱すぎる!?」

 不機嫌そうなガリィの様子に、セレナは疑問を感じずにはいられなかった。敵であるのなら、自身が優勢な事に満足そうな顔をしても良い筈だ。なのに実際にはその逆。まるでマリアが弱いと都合が悪いかの様なガリィの様子は、セレナに違和感を抱かせるには十分であった。

 セレナはガリィの様子に違和感を覚えていたが、対峙しているマリアにそのことに気付く余裕はない。ただ必死に戦うマリアは、ここで負ける訳にはいかないと胸元のギアコンバーターに手を伸ばした。
 今再び、イグナイトの力に手を出そうと言うのだ。

「その力、弱いアンタに使えるの?」

 尚も足掻こうとするマリアにガリィが吐き捨てる。先程は失敗したイグナイトの起動を、弱いままで使おうと言うのだ。最早ガリィはマリアに対し失望し、何も期待していない様子だった。

 見下したガリィの言葉は、マリアの心に深く突き刺さった。

「はっ!? 私はまだ弱いまま……どうしたら強く――!?」

 苦悩するマリア。その脳裏に浮かんだのは、先程エルフナインから掛けられた言葉だった。

『それは、マリアさんが僕に教えてくれたじゃないですか』

「ッ!! 私が?」
「マリアさん!!」

 突如マリアの耳に、エルフナインの声が届く。エルフナインは拳を握り、マリアを信じた顔で言葉を投げかけた。

「大事なのは、自分らしくある事です!!」

 それは間違いなく、マリアがエルフナインに掛けた言葉だった。ビーチバレーで上手くサーブが出来ないエルフナインに、マリアがアドバイスとして掛けた優しい言葉。

「そうだよ、マリア姉さん! 私も
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ