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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第127話:弱さは強さ
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 2人が戦うのを横目に、ガリィはマリアを見下ろした。ハンスのお陰で邪魔者は居なくなった。ならば自分の相手はただ1人。

 その相手であるマリアは、ガルドが頼れなくなった以上自分しかいないと前に出て頭に巻かれていた包帯を毟り取り放り投げた。
 覚悟を決めた様子のマリアの目に、ガリィは口の端に笑みを浮かべながら訊ねた。

「今度こそ唄ってもらえるんでしょうね?」

 何処か見下す様にそう問いかけてくるガリィに、マリアは顔に汗を浮かべながら険しい顔をする。正直、今の自分がガリィ相手に何処まで対抗できるか分からないからだ。
 何しろまだ何も掴んでいない。強さとは何か? それすら分からない状態だ。そんな有様でガリィと対峙して、勝負になるかと言われると――――

「大丈夫です、マリアさんならできます!」

 そんなマリアにエルフナインからの言葉が飛ぶ。エルフナインはマリアの事を微塵も疑わない声で、彼女が勝てると確信して言葉を放った。
 その言葉にセレナが続いた。

「そうだよ、マリア姉さん! マリア姉さんは弱くなんかない! 私は、ううん、私もガルド君も、皆もそう信じてる!」

 2人の言葉に、マリアは答えない。ただ真っ直ぐガリィを見つめながら、ギアペンダントを取り出し聖詠を口にした。

「Seilien coffin airget-lamh tron」

 アガートラームをマリアが纏う。ガリィはそれを見下ろして、獰猛な顔になりながら手にアルカノイズの召喚結晶を取り周囲にばら撒いた。

「外れでないのなら、戦いの中で示して見せてよ!!」

 無数に召喚されたアルカノイズ。やはり一瞬で無数の軍勢を呼び出せるのはアルカノイズ最大の利点と言えるだろう。
 尤もそれも普通の人間相手の場合だ。装者相手にはそうはいかない。

「はぁぁぁぁ!!」

 舞い踊る様にマリアはアガートラームのアームドギアである短剣を振るう。短剣で、蛇腹剣で並み居るアルカノイズを次々と切り裂き屠っていく。

 アルカノイズの出現は当然近くの施設でも確認された。

「アルカノイズの反応を検知!!」
「!」
「マリア達がピンチデス!!」

 持ち運び用のノートパソコンに表示された警報とアラームに朔也が声を上げた。それに翼達装者は飛び上がる様に立ち上がると、マリア達の窮地を救おうと部屋から飛び出していく。

「……あれ? そう言えば奏さんと颯人さんは!?」

 最後に部屋を飛び出した響は、この場に颯人と奏が居ないことに気付いた。もし2人が別の部屋に居るのであれば、この事も知らない筈だ。
 2人を探してこの事を報せるべきと響が足を止めると、その背を透が押しクリスが手を引っ張った。

「あのペテン師なら何だかんだで来るだろ、放って
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