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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第127話:弱さは強さ
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が立つ。マリアの指導の元、エルフナインがサーブをしてセレナがそれをキャッチする。やはりエルフナインのサーブには力があまり乗っておらず、マリアに教えられたアンダーサーブでも飛距離が出ずネットを超えはしたがかなりギリギリだった。
「もうちょっとです。肩から力を抜いて、体全体でボールを打ってみてください」
「はい……えい!」
セレナのアドバイスを受けもう一度サーブするが、ボールは先程とそれほど変わらない位置に落下した。
その結果にエルフナインは納得がいかない様子だった。
「おかしいな……上手くいかないな、やっぱり」
「大丈夫ですよ。さっきに比べてずっと良くなってます。焦らず一歩一歩、確実に進んでいきましょう」
肩を落とすエルフナインにセレナの励ましが飛ぶ。
エルフナインには経験は無くても知識がある。今はその知識に体が追い付いていないが、練習と指導により着実に実を付けつつあった。
その様子を見て、マリアは思い切って悩みを打ち明けた。
「……色々な知識に通じているエルフナインなら、分かるのかな」
「ん?」
「だとしたら、教えて欲しい」
「姉さん……」
マリアの呟きにエルフナインが振り向き、セレナがボールを持って近付いてくる。
近付いてくるセレナに視線を向けながら、マリアは思い切って訊ねた。
「強いって、どういう事かしら?」
そう訊ねるマリアの視線の先には、恐れずその身を犠牲にしてマリア達を守ったセレナ。そしてその後ろから、己の正体を隠してでもセレナを守る為に傍に立ち続けたガルドがやって来ていた。
ガルドがセレナの隣に立つと、エルフナインも気付いたのかそちらに視線を向ける。
「ガルドさん……」
「教えて、セレナ、ガルド、エルフナイン……強いってどういう事? セレナとガルドは、どうしてあんなに強かったの?」
縋る様な目で訊ねてくるマリアに、ガルドとセレナはどう答えるべきかと顔を見合わせた。
が、2人に応えられることは1つしかなかった。
「……俺達は、自分が強いだなんて思った事は無い」
「そうだね。私も、ガルド君も、ただ必死だっただけだよ」
「必死だった?」
「そう。俺もセレナも、どっちも守りたい物を守る為に必死に足掻いた。ただ、それだけの話なんだ。そこに強いも弱いも無い」
それならば自分だって一緒だった筈だと、マリアは声高に叫びたかった。先程の戦い、マリアは戦えないセレナ達の為に戦おうとした筈だ。それなのに自分は負けてしまった。一体自分と2人で何が違うと言うのか、マリアは分からず顔を俯かせた。
マリアが顔を俯かせると、その視線の先にはエルフナインが居た。エルフナインはマリアに、彼女を安心させるように柔らかな笑みを浮かべながら口を開い
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