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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第127話:弱さは強さ
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 颯人達がキャロル勢の不可解な動きに頭を悩ませている頃、マリアは施設の外で1人黄昏ていた。イグナイトの制御の失敗に加え、ガリィに敗北した事が彼女の心に重く圧し掛かっていたのだ。

 頭に包帯を巻いた状態で暗い顔をしているマリア。その隣には、彼女を心配したセレナが付き添っている。

「姉さん……」
――人形に救われるとは情けない……私が弱いばかりに、魔剣の呪いに抗えないなんて……――

 敗北を喫したマリアだが、それは裏を返せば暴走したイグナイトの力をセレナを始めとした仲間に向ける前に止められたという事。それを考えると情けなさと悔しさが揃って心に圧し掛かり、二重の意味で泣きたくなってくる。

 己の弱さに苛まれるマリアを見て、セレナは何とか彼女を元気づける事は出来ないかと声を掛けた。

「し、仕方ないよ。マリア姉さん、普通のアガートラームを使っての戦闘もイグナイトの起動も今回が初めてだったんだもん。上手くいかないのはしょうがないって。だから、その……元気出して? ね?」

 セレナが必死に声を掛けるも、その気遣いすら今のマリアには辛い言葉となる。変に気を遣わせてしまっている事が逆に自身の弱さを露呈させ、突き付けられているような気になっていた。

 だからマリアは表面上セレナには空元気の笑みを向けるが、その心には暗い感情が泥の様にへばり付いていた。

「気にしないで、セレナ……私が弱い事は事実だから……」
「そんな事……」

 マリアの様子に自身の言葉が追い打ちにしかなっていないことに気付いたセレナは、何と言うべきか分からなくなり口を噤んだ。姉1人元気付ける事も出来ない事に、今度はセレナの方が己の無力さに心を痛める。

――強くなりたい!――

 姉妹が揃って己の無力さに打ちひしがれていると、2人の傍にバレーボールが飛んできた。何故こんな所にと2人が飛んできたボールの方に目を向けると、飛んできた方からエルフナインが走って来た。

「はぁ、はぁ……ごめんなさい! 皆さんの邪魔をしないよう思ってたのに……」

 どうやらエルフナインは1人サーブの練習をしていたらしい。考えてみればここは砂浜に近い。バレーボールの練習をするにはうってつけだろう。

「邪魔だなんて……」
「1人で練習してたんですか?」
「私達も付き合うわよ」

 咄嗟に口から出た言葉だったが、少し考えてから悪い提案でもないかと思い至った。悩んでいても悪い考えしか浮かばない。それならば、少しでも体を動かした方が余程建設的だ。

 打算を含んだマリアの提案だったが、1人でやるよりは複数人でやった方が為になるとエルフナインも思ったのか喜んで受け入れた。

「はい!」

 ネットを挟んで、一方にマリアとエルフナイン、もう一方にセレナ
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