横田基地サーヴァント防衛戦 その1
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ないのだが、門外漢のアンジェラが納得してくれるのが大事である。
考え込むアンジェラを前に私が畳みかける。
「それよりも、カバーストーリーの方はお願いします。
横田基地でテロが発生したなんて騒がれたら、この国だけでなくワシントンでも火の手が上がりますよ?」
「そっちは何とかします。
今の所、飛行機事故で押し切れます。
これ以上の犠牲者が出なければですが」
(……それはこっちで何とかしますよ)
これ以上目をつけられたくなかったので、その言葉を言うつもりは無かった。
相変わらず実施的に監禁されている部屋の中で私はタロットカードを広げる。
占い師である事は向こうも知っているので、これについての何か言われることは無い。
カードを広げて何か占っているふりをする。
探していたのは一枚のカード。
私はそれを手に取って燃やす。
実際には、そのカードを使ったのだが、監視カメラで見ているだろうアンジェラたちにはちょっとしたまじない程度の演出にしているのがポイントである。
『フール』
リーダー以外の敵キャラをその戦闘中だけ消す効果があるこのカードだが、マスターをリーダーと考えるならば、これで奴は襲ってこれないはすだ。
そのまま魔力切れまで待てばいいが、マスターを殺して逃げだした奴だ。
しばらくは生き残れるだろうなとため息をつきながら、若宮友里恵分析官が迎えに来たので私たちは横田基地を後にした。
「まったくカバーストーリーが大変よ。
しばらくは基地反対派で暴れるし、米国の尻ぬぐいで残業確定ね」
「少なくともテロにはならなかったのをよしとしましょう。
あれ、まだ横田基地に潜んでいますよ」
私の一言に若宮友里恵分析官の顔色が変わる。
この件で最悪なのは『横田基地がテロに襲われた事』であり、『横田基地で事故が起こった』や『横田基地で殺人事件が起こった』に比べるとフォローができない。
私の今回の仕事は、その最悪を回避しただけで、問題の解決にはまだほど遠い。
「冬木教会の言峰神父が布告を出したわ。
『聖杯戦争のルールに則り、監督役が命ずる。横田基地で暴走したサーヴァントの討伐。それを成した者には令呪一角を付与する』だって」
こちらがわの介入を魔術協会や聖堂教会は嫌がっていたから、恩を売って手を引かせる魂胆が見え見えである。
既に言峰神父への信頼はゼロだから、更に何か裏があると考えた場合、彼に任せるのも怖い。
「無駄に犠牲が出るのも好きではないですからね。
後始末に動く程度の事はしますよ」
私はそこまで言って、ため息と共に言葉を続けた。
「ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトと獅子劫界離に連絡をとります。
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