第五百九話 歌も歌いつつその十二
[8]前話 [2]次話
「先生も生徒もな」
「個性派揃いなんだな」
「そして転校生も盛んに受け入れておる」
「一気に増えたけえ」
元春は牡蠣を食べつつ述べた。
「島津四兄弟に大友宗麟にのう」
「私もいます」
立花宗茂が言ってきた。
「宗麟様の執事として」
「ほんまに増えたけえ」
「駄目でしょうか」
「賑やかになってええ」
元春はそれ自体はいいとした。
「ただ一気に増えて誰が誰か覚えるのに一苦労じゃ」
「しかも他の学校の生徒も来るしね」
信澄は信玄と謙信を見つつ言った。
「おまけに学校の中に勝手に拠点築くし」
「駄目か?」
信玄は信澄に平然として応えた。
「その話はお流れになったけれどな」
「海がお好きなら何時でも来られません?」
信澄は信玄に問い返した。
「そもそも」
「有馬からは遠いだろ」
「同じ兵庫県じゃないですか」
「それが違うんだよ、同じ兵庫県でもな」
そのことは事実だがというのだ。
「けれどな」
「それでもですか」
「神戸とは違ってな」
「有馬は山の中で」
「それでなんだよ」
その為にというのだ。
「バイクで行かないとな」
「すぐには行けないですか」
「だからいつも海が恋しくてな」
その為にというのだ。
「いつも行きたいんだよ」
「そうですか」
「だから神戸に進出したいな」
信玄は心から思った。
「本当にな」
「じゃあ別荘を持てばいいでしょ」
氏康はぴしゃりとした口調で言った、何気に自分の胸と信玄の胸を見比べて内心歯噛みしているがそれは目に出ていた。
「そうでしょ」
「それは高いからな」
「無理なの」
「空いている場所は今父上が傍におられてな」
「あの浮気三昧で遂に追い出された」
「別居中のな」
信玄は自分の家庭の事情も話した。
「だからな」
「神戸には行けないの」
「ああ、別荘もな」
「別荘って何だ?」
烈火はかなり本気で言った。
「俺の家には縁ないぞ」
「あたしのところも」
「俺もだ」
風子と土門も言った。
「普通の家だからな、花屋の」
「そんなの縁がないわ」
「そうだよな」
「よかったら来ることだ」
紅麗はその烈火達に話した、丁度歌い終わったところで自分の席に戻る途中で浴衣姿で立っている。
「私の別荘の一つにでもな」
「そういえばあんた今大会社の社長さんね」
「森の会社をそのまま貰った」
風子にこう返した。
「そしてもっと言えばグループ全体の会長でだ」
「お金もあるのね」
「そうだからな」
それ故にというのだ。
「別荘も持っている」
「それも幾つも」
「だからよかったらだ」
烈火達が望むならというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ