第五百九話 歌も歌いつつその十
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「俺が見たな」
「そうですか」
「だからだ」
それえでというのだ。
「このまま強くあることだ」
「こいつがこう言うってかなりだよ」
「そうですよね」
光実は葛葉の言葉に頷いた。
「僕もそうそう聞いたことはありません」
「すぐに弱いとか言うしな」
「それでそうした人は相手にしないから」
「そんな奴が言うからな」
「相当ですよ、元士郎君」
「前から思っていたけれどな」
「はい、確かに強いです」
葛葉に笑顔で話した。
「僕も思います」
「俺もだよ」
葛葉も笑顔で言う。
「皆もそうだけれどな」
「元士郎君もですね」
「そうです」
まさにというのだ。
「僕が見ても」
「確かに強いな」
ここでこう言ったのはプリシラに仕えるアルデバランだった。
「元士郎の兄さんも」
「強さとは何か」
ラインハルトは浴衣姿で語った。
「それは心だ」
「そうだよな」
「心が強ければだ」
そうであるならというのだ。
「まさにだ」
「身体もな」
「その後でだ」
「強くなるな」
「そうだ」
まさにというのだ。
「だから私も匙君を認めているのだ」
「心が強い」
理詰夢は考える顔で述べた。
「それが第一だな」
「そうだな、俺もそこは頭に入れておかないとな」
アルデバランは仮面を被ったまま食べつつ呟く様に言った。
「そうでこそな」
「真に強くなれますね」
「だから昴も強いしだ」
「元士郎君もですね」
「他の誰もがな」
ここにいる全ての者がというのだ。
「そうなのだ」
「心が強いから」
「幾ら身体が強くともだ」
それでもというのだ。
「心が弱いとだ」
「やっぱり駄目だな」
「そうそう、それそれ」
風間がここでこう言ってきた。
「身体が強くてもな」
「心がですね」
「弱いとな」
「それで弱くなりますね」
「ああ、ただ誰も弱いんだよ」
風間はアルデバランに話した。
「そこはわかっておいてくれよ」
「誰もがですか」
「人間はな」
それこそと言うののだった。
「誰だってなんだよ」
「弱いですか」
「挫けることもあるんだ」
「だからですか」
「弱いんだよ、怯んだりもしてな」
そうなることもあってというのだ。
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