西ゼムリア通商会議〜ミルディーヌ公女の婚約と思惑〜
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よ。」
「ふえ?い、いいんですか?」
「こっちにとってはありがたいけど……一体何が狙いなのかしら?」
しかしベルフェゴールが口にした意外な答えにティータは目を丸くし、シェラザードは警戒の表情でベルフェゴールに訊ねた。
「別に狙いなんてないわよ。――――――そもそもミュゼの方から貴女達に教えるように頼まれているもの。」
「ええっ!?ミュ、ミュゼが私達に!?一体どうして……」
ベルフェゴールの答えに驚いたアリサは新たな疑問を訊ねた。
「さあ?そこまでは教えてくれなかったけど、私の予想だとミュゼ自身の思惑を知った貴女達が今会議に参加しているエレボニアのミュゼ以外の面子に教える事で、自分は何も企んでいない事を知ってもらう為じゃないかしら?」
「……ベルフェゴールさんの予想も気にはなりますけど、とりあえずミュゼちゃんの思惑について教えて下さい。」
肩をすくめて答えたベルフェゴールの話を聞いたトワは真剣な表情でベルフェゴールに話の続きを促した。
「ミュゼの思惑は3つあってね。一つはメンフィルの大使館がオルディスにある事で、メンフィルに関する情報収集やエレボニアの皇家や政府の関係者もそうだけど、他のエレボニアの貴族達がメンフィルに何らかの交渉をする際の仲介人か代理人としてのエレボニアにとっての重要な役割をミュゼに任されることになる――――――つまり、様々な面でミュゼにとってのメリットがあるからだそうよ。」
「確かに戦後のメンフィルとエレボニアの関係を考えると、敗戦国であるエレボニアにとって国家間の関係で言えば上になるメンフィルとの交渉は非常に重要なものになるだろうから、当然交渉の際の仲介や代理を任されることになるカイエン公爵家はエレボニアにとって非常に重要な立場になるだろうな。」
「それに自身の本拠地であるオルディスにメンフィルの大使館が存在している事で、エレボニアの中でメンフィルに関する情報を逸早く手にできるでしょうから皇家や政府、そしてエレボニアの貴族達に対して優位に立てますね………」
ベルフェゴールの話を聞いたジンとエレインはそれぞれ真剣な表情で推測し
「うふふ、それもあるけど万が一エレボニアでのミュゼの立場が追い詰められる程不味くなった場合、エレボニアが簡単に手出しできない大使館にすぐに逃げ込めるからよ♪」
「大使館にエレボニアは簡単に手出しできないとはどういう事だろうか?」
「大使館はその大使館を設立した国の施設――――――つまり、”他国領”に分類される事で”治外法権”になるから、大使館側から許可が出ないと軍や憲兵もそうだけど、貴族や皇族も踏み込む事はできないんだ。」
「もし許可も無く大使館に踏み込んだりしたら当然”外交問題”になるから、例えばエレボニ
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