西ゼムリア通商会議〜ミルディーヌ公女の婚約と思惑〜
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ディア王太女を気にしながら疑問を口にした。
「ロレントの場合は幸いにも”災害”の類が今まで起こらなかったというのもあるが、そもそもロレントに存在する高層の建造物が非常に限られている為、例え”災害”が起こったとしても飛行騎士達による人命救助はほとんど必要ないからだ。」
「……そうですね。シルヴァン陛下の仰る通り、ロレント地方は農産物の主要産地である事から高層の建造物と言えば時計塔くらいしかありませんし、そもそもリベールの各都市もグランセル城とZCF(ツァイス中央工房)、後は郊外にある”四輪の塔”を除けば高層の建造物はありませんから、例え”災害”による人命救助が必要としている状況であってもわざわざリベールにとって他国の軍であるメンフィル帝国軍の力を借りる程の事態に陥る事は滅多にありませんね。」
シルヴァン皇帝に同意したアリシア女王は静かな表情で答えた。
「そ、そういう事でしたらエレボニアの中央に位置する帝都に大使館を設立して頂いた方が、”有事”の際災害派遣して頂く駐留軍の各地方への移動時間はほぼ同等になる為、効率もいいと思われるのですが……」
「先程も言ったようにエレボニアでの我が国の大使館を設立する場所の基準は”エレボニアの方針がメンフィルとの敵対に変わった場合に備えて我が国、もしくは我が国と同盟関係の国の領土と隣接している事、そして大使館が設立される領土を納める領主への信頼度だ。”そのどちらにも当てはまらない帝都に大使館を設立するつもりは毛頭ないし、そもそも”災害派遣”の件にしても万が一”災害”が起こった際に他国――――――それも戦争相手だった我が国の駐留軍の協力を最初から当てにする考えはどうかと思うが。」
「……………………」
シルヴァン皇帝に意見をしたレーグニッツ知事だったがシルヴァン皇帝の反論を聞くと辛そうな表情で黙り込んだ。
「……第10条の疑問についても理解しました。次は第2条の疑問――――――”領土割譲が戦争勃発前に貴国がエレボニアに要求した賠償の時よりも緩和されている事”について伺いたいのですが。」
そして重苦しくなった空気を変えるためにアリシア女王はシルヴァン皇帝に新たな質問をした――――――
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