西ゼムリア通商会議〜ミルディーヌ公女の婚約と思惑〜
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シー秘書官の様子に気づいたクローディア王太女は心配そうな表情でルーシー秘書官を見つめた。
「陛下、駐留軍による”災害派遣”の件についてはお伝えした方がよいのでは?仮にもエレボニアがエレボニアの領土に駐留する我が軍の軍事費の半分を負担する事になるのですから、そのくらいの説明はすべきかと思いますが。」
「ああ……そういえばその件はまだ話していなかったな。」
「え………さ、”災害派遣”ですか?」
「”駐留軍による災害派遣”………まさか、オルディスに駐留するメンフィル帝国軍はエレボニア帝国に地震や火事等何らかの”災害”が起こった際にエレボニアの国民達の人命救助の為に駐留軍を派遣するおつもりなのでしょうか?」
セシリアとシルヴァン皇帝の会話が気になったクローディア王太女は呆けた声を出した後戸惑いの表情を浮かべ、二人の会話から既に事情を察したアリシア女王は驚きの表情でシルヴァン皇帝達に訊ねた。
「そうだ。半分とはいえ他国の駐留軍の軍事費をエレボニアが負担するのだから、その件でメンフィルに対して反感や不満を抱くエレボニア人達の不満もある程度抑えられると意見が出た為、その意見を採用する事にした。」
「メンフィル帝国軍の”災害派遣”と仰いますが、もしエレボニアに何らかの災害が起こった際に具体的にはどのような”災害派遣”を行われるのでしょうか?」
アリシア女王の問いかけに答えたシルヴァン皇帝の話を聞いて新たな疑問を抱いたアルバート大公は質問をした。
「我が軍に所属する騎士の中には天馬等と言った馬の代わりに飛行可能な”騎獣”を駆り、”地上を駆けるのではなく空を駆ける騎士”――――――”飛行騎士”と呼ばれる存在がいる。飛行騎士はまさに言葉通り空を縦横無尽に飛行できる上飛行艇やヘリと比べれば圧倒的に小柄な飛行騎士ならば飛行艇やヘリでは着陸不可能な場所にも着陸できる上、救助対象者に直接近づいて救助する、火災が起きた建物内に取り残された救助者がいる場所に直接突入しての救助等と言ったヘリや飛行艇では救助が不可能、もしくは厳しい状況での救助も容易になる。」
「また我が軍には飛行騎士の他にもファーミシルス大将軍閣下のようなその種族の身体的特徴の一つとして背中に翼がある事で自力での飛行が可能な異種族の兵――――――”飛行歩兵”と呼ばれる存在も所属しており、彼らにも飛行騎士達のように飛行専用の救助も訓練の一環として行っていますわ。」
「何と……メンフィル軍にはそのような存在がいるのですか……」
「その割には既に大使館が存在しているロレント――――――リベールではそのような話は聞いた事がありませんが……」
シルヴァン皇帝とセシリアの説明を聞いたアルバート大公は驚き、ルーシー秘書官はアリシア女王とクロー
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