ジグソーパズル
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の波により、ハルトは進めなくなる。
その時。
「うわああああああああああああっ!」
「っ!」
降って来る、巨大な瓦礫。
ハルトは人々の前に割り込み、ウィザーソードガンを取り出す。
『ハリケーン シューティングストライク』
雨粒を吹き飛ばしながら、緑の魔力の弾が瓦礫を砕く。
『ディフェンド プリーズ』
さらに、細かく落ちてくる破片を防御の魔法で防ぎながら、ハルトは人々に呼びかける。
「みんな、逃げて!」
誰もが、自ら足を止めていたことを忘れていたのだろう。
人々は一瞬の茫然の後、即座に逃走を再開する。
ハルトは彼らを見送りながら、少女を___見滝原中央駅への道を急ぐ。
だが。
「っ!」
暗い暗雲の中から、闇の雷が現れる。
ハルトは指輪に付けたままの防御の魔法でそれを防ぎ、そのまま吹き飛ばされた。
「これは……トレギア……!」
「やあ。ハルト君」
白と黒のツートンカラー。
すぐ隣の車道___渋滞により、ほとんどの人が車を乗り捨てたその道の中に、彼の姿があった。
霧崎。
トレギアが人間として活動する姿のそれが、ハルトの動きを完全に静止させた。
「この姿の時は、霧崎と呼んでくれ。そう言ったじゃないか、ハルト君」
白と黒のツートンカラーが特徴的な霧崎は、ただ茫然と見滝原駅を見上げている。
傘を持たず、どんどん濡れていくハルトとは真逆に、霧崎の傘は雨を弾いていく。その代わり、彼は月の光を浴びることなく、暗いままの体を見せていた。
「お前がいるってことは……あれは、お前の息がかかってるのか!?」
ハルトはイリスと霧崎を見比べながら怒鳴った。
だが、霧崎は首を振った。
「いやいや。まさか、ここまで強くなるとは思わなかったよ」
霧崎は自らの頭を小突いた。
「色々活動するにあたって面白そうだったから、マスターに令呪を与えて召喚させたが……まさか、ムーンキャンサーの力が私の計算を越えるほどだとは思わなかったね」
「ムーンキャンサー……? あれが……?」
その名は、ハルトも以前聞いたことがあった。
見滝原南にて出会った、アンチという名の少年。彼が血眼になって探していたものの名前もまた、ムーンキャンサーだった。
「アンチ君、なんであんなものを……?」
「監督役には言ったが……ハルト君、君はジグソーパズルをやったことはあるかい?」
「……?」
「どうやらないようだね。是非、あれをやってみることをお勧めするよ」
霧崎は傘を傾けた。
彼の特徴的な青いメッシュが見えてくると、否が応でもハルトは警戒してしまう。
霧崎は続けた。
「あれは本当にいい地球の発明品だよ。バラバ
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