§41 超神話黙示録
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微妙に違う」
大体蛆の悲鳴って何だろう。こっちは気合万全だというのに毒気を抜かれてしまう。そんな些か緊張感にかけるやりとりをしつつも、お互いがお互いを油断無く見据える。
「はぁっ!!」
「そらっ!」
ロンギヌスと如意棒がぶつかりあう。一瞬の鍔迫り合いの後で黎斗が受け流した。阿呆のような質量を持つこの神具相手に真っ向から受け止めるのは流石の黎斗でも荷が重い。役者不足だ。もっとも牡牛の剛力を使えば話は別だろうが、こんなことで呪力を無駄遣いなど出来ない。
「まだまだいくぞ!!」
「お前ふざけんな!」
軽い会話とは裏腹に大聖と黎斗の応酬は神速を凌駕し光速に迫る。数十、数百打ち合うも互角で互いに一歩も譲らない。受け流し、隙を見つけて刺突。回避され再び迫りくる攻撃を受け流す。
「腕は健在のようじゃのう。なら、これはどうじゃ?」
拮抗状態を破らんと、大聖が動く。大聖の顔と腕が背後から新たに生える。計三対、すなわち三面六臂となった大聖と三本に増えた如意棒による乱撃に、とうとう黎斗が被弾する。数十打ち合った所で腹部に一撃。如意棒はいとも容易く黎斗の肉体を貫通し。黎斗は遥か空へと打ち上げられる。
「がはっ!?」
「逃さんよ!」
縮地で即座に追撃する大聖の一撃を辛うじて受け流し、着地。ふぅ、と息をひとつ吐く。これは不味い。近隣住民の避難が完了するまでは派手な動きが使えないのが痛い。
「やつの火眼金晴を邪眼で相殺出来てるだけマシか」
斉天大聖の瞳、火眼金晴は呪術を無効化し、相手の身体の自由を奪う。黎斗の我が前に邪悪なしの無効化能力を弱体化させ麻痺効果を付加させたような代物で危険きわまりない。火眼金晴の無力化に邪眼の全能力を傾けている為、他に対して無力化の力を及ぼせないのだ。
「鋼を上回る体躯。神速を凌駕しうる機動。数々の反則的能力。無理ゲーは相変わらずだな!」
悪態を吐きつつ権能は出来る限り使わない。"こいつ"相手に権能の大安売りは悪手でしかないことを知っているから。だがそれもいつまで出来るか。あの時は頼りになる相方や酒呑童子といった仲間に恵まれていたのだが。
「ほれほれいくぞ!!」
ますます加速する攻防。打ち合いの余波で周囲が滅茶苦茶になっていく。如意棒を回避出来ない訳ではないが、回避すればしただけ周りへの被害は甚大になる。いくら元が荒野とはいえ、大穴を大量生産されれば修復は容易ではない。地殻まで破壊されてしまえば尚更だ。この猿神に地殻程度破壊できない訳はない。つまりは、全て回避せずに真っ向から打ち合うしかない。もっとも、そうは言っても結局のところ受け止めきれずに受け流し
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