§41 超神話黙示録
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ます」
一連の事態に硬直していた術者達が動き出す。最低でもこの間くらいは時間を稼がねば。
「って、それ如意棒じゃん。お前マジで斉天大聖かよ」
声だけだったならば幻聴だと思えた。空耳であってくれればどれだけ良かったことか。
「さて。いくかね」
笑いながらこちらを見やる斉天大聖。その姿は先ほどまでの姿とは違う。古の時に戦った姿。過去激戦を繰り広げた時と瓜二つ。
「恵那を依り代として復活したか……!!」
恵那は神懸りが出来る。神の呪力をその身に宿せる稀有な存在だ。ただし負荷をかけすぎれば神に身体を奪われてしまう。――ならば、一時的に神は現世へ舞い戻ることが可能となる。
「封印はどうした!?」
「あぁ。あの呪縛は通りすがりの神殺しが破壊して行ってくれたわ。あっはっは!」
哄笑する斉天大聖に愕然とする黎斗。護堂がまたやらかしたか、と思考するのは僅かの間。護堂に斉天大聖を解放するメリットなど無い筈。どっかの戦闘狂ならやりかねないが、自称無害な護堂が進んでやるとは考えにくい。--何より護堂が破壊するなら大規模破壊になるはずで。ほぼ無傷で斉天大聖がこちらへくるとは考えにくい。あの護堂に繊細な破壊工作が出来るわけがない。もし出来るならミスター遺産破壊者の異名を頂戴してはいないだろうし。
「誰だよ一体ッ……!!」
なおも文句を言おうとして、諦める。今はコイツを何とかしなければ。幸いここで発見できたのは僥倖だった。避難が完了していない区域にこのバカ猿を通してしまえば、どうなるか。猿天国の完成だ。もう手がつけられない。
「恵那を返してもらうぞ!! お前はここで始末する!!」
おそらくは恵那を核として呪力を纏い顕現している。もし封印が完膚なきまでに破壊されていても封印の影響からは完全に逃れていないだろう。仮に完全に逃れているのならば恵那を取り込んでいるメリットなど無い。つまり現状の状態を維持するには恵那を通して呪力を流さなければならないはず。この場合、恵那は蛇口で大聖は水だ。バケツが水で満杯状態だと万全状態。つまるところ蛇口を奪えば残った水――依り代を失い不完全な状態で顕現している大聖――をどうにかすれば良い、筈。
「仮定の話が多すぎてどうしようもない、か。」
しかも時間をかければ蛇口なしで満杯状態の、勝手に水が湧き出るバケツ――完全復活状態――を相手にする羽目になる。それだけは避けなければならない。この怪物が十全の力を振るうこととなれば、それは即ち世界の危機だ。
「ホントどこのだれだよふざけんな……」
冷や汗が黎斗の額を伝う。ロンギヌスを握る手には力が籠る。
「さぁ逝くぞ歌い踊れ神殺し。蛆のような悲鳴をあげろ。……じゃったかのう」
「……惜しい。
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