§41 超神話黙示録
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「さて。どーすっかねぇ」
キョロキョロと周りを見渡して呟く。黎斗と教主が戦う前から散々な惨状だったとはいえ、これを放置は忍びない。
「黎斗様、数々のご無礼をお許し下さい」
「んえ?」
背後を見れば、平伏する馨と甘粕の姿。はて、何かやっただろうか?
「お二人ともどうしたんですか……?」
考える。二人の黎斗への対応が上位者へ対する者に様変わりした原因を。ついさっきまではいつもと変わらなかったはずなのに。
「師父をも下すその技巧、不肖この陸鷹化感服致しました。ご無礼をお許し下さい」
震える少年に至っては、こちらが罪悪感を覚えるほどだ。傍目にわかるほど怯える彼の額には大粒の汗が大量に浮かぶ。
「……あ、あのー? もしもしー?」
この状況は一体何だ。周りの対応が激変した元凶に心当たりが無い。羅濠教主との戦いの前後で何も変なことはしていないはずだ。権能も派手なのは使ってないし。
「ん? 権、能……?」
権能を使った。それは問題無い筈。それは問題無い?
「あ」
そもそも一般人は権能なんか使えない!!
「あぁあーー!!」
黎斗の痛恨の叫びが響く。
「お義兄様。少々落ち着きをもたれては如何ですか?」
呆れたような教主の声。
「それとそろそろこの鎖を解いては頂けないでしょうか。お義兄様に縛られているのも良いのですがここでは下々の者に示しがつきません。……もっとも、お義兄様が辱めたいのでしたら喜んで」
「はい解除!!」
うっすらと頬を桃色に染め、危険な言葉を口走り始めた教主に慌てた黎斗は急いで破滅の呪鎖を解除する。ぱちん、と妙な音と共に教主を縛り付ける呪いの鎖は消えていく。
「権能使う一般人です☆ ……は我ながら無理だなこりゃ」
もはやどうしようもない。これで誤魔化すのは無理だ。
「試合に勝って勝負に負けた感がハンパないんすけど……」
諦めたように引きつった笑い。世の中に出る、しかないか。まぁ最悪また幽世に引きこもれば良い。数百年も隠遁してれば忘れ去られるだろう、きっと。ネットが出来ないのは悔しいがしょうがない。
「幽世にネット環境整える権能どっかの神が持ってないかなぁ」
あったら協力を依頼するのだけれど、などと現実逃避。
「……とりあえず甘粕さんも馨さんも顔を上げて下さい。そこの恵那のお師匠様のみなさまも。別に世界滅ぼすとかはやんないんで僕。めんどくさいですし。今まで通り普通の対応をお願いします」
平伏する大人達を必死に説得する。目指せ平和な日々、というやつだ。無駄な足掻きだと知ってはいるけれど。
「魔術組織に肩入れする気もないんで。……甘粕さん達にはけ
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