第一章
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これぞ究極のサバイバル
衣食住何が一番大事か。
今クラスでそうした話が出ていた、最初は数人だけの話だったがすぐにクラス全体での議論となった、この議論は紛糾した。
「やっぱり食いものだろ」
「人間食わないと死ぬしな」
「それじゃあ食いものだろ」
「何と言っても」
一番の多数派は食派だった、彼等は口々に言った。
「家なくてもまだいけるだろ」
「服だって」
「けれど人間食わないと死ぬぜ」
「絶対にな」
「いや、家でしょ」
次の勢力である家派が言った。
「寒さで死ぬぞ」
「虫とか猛獣とか幾らでもいる外で生きられるか」
「雨露凌げないと辛いわ」
「そんな生活無理だろ」
こう言うのだった。
「やっぱり家だ」
「家がないと駄目だ」
「家があることが絶対よ」
「まずはそれだろ」
「服着ないと駄目だろ」
最後に服派が言ってきた。
「服着ないと寒いでしょ」
「身体だって守ってくれるんだぞ」
「服なくて人間か?」
「服着なくて何が出来るの?」
彼等はこう主張した。
「そんな生活出来るか」
「とても無理だろ」
「やっぱり服だ」
「服が一番大事よ」
白熱した議論になった、そのうえで何かと話されたが。
担任の丸川洋祐丸い目と小さな頭に大きな耳と引き締まった口を持つ一六三センチ程の中肉の彼が言ってきた。
「逆ならどうだろうな」
「逆?」
「逆っていいますと」
「どういうことですか?」
「だから衣食住がないんじゃなくてな」
丸川は自分が受け持ってるクラスの生徒達に笑って話した。
「全部あったらだよ、最高のレベルでな」
「最高ですか」
「それだと何でもないんじゃないですか?」
「衣食住全部あったら」
「それなら」
「じゃあ試しにルイ十四世どうだ?」
彼は笑って話した。
「あの王様な」
「ああ、ベルサイユ宮殿に住んでた」
「あの王様ですね」
「授業にも出て来ますね」
「奇麗な服一杯持っていて」
「凄かったんですね」
「この人実は歯がなかったんだよ」
丸川はこのことも笑って話した。
「変な医者が歯は万病の元だって言って本当かってなってな」
「凄い主張ですね」
「歯が万病の元とか」
「酷いヤブ医者ですね」
「それで歯を全部抜いてな」
そうしてというのだ。
「噛めなくてもう消化不良でな」
「大変ですね、王様も」
「歯を全部抜くとか」
「洒落になってないですね」
「それでいつも腹下してて服も汚してな」
何故汚したかまでは流石に言わなかった。
「食べるものも歯がないからな」
「凄い柔らかいのでないと駄目ですね」
「そうでないと食べられないですね」
「とでも」
「しかもベルサイユ宮殿ってトイレないだ
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