第二百五十四話 錬金術師の活躍その八
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「城壁はな」
「修繕してですね」
「そうしてですね」
「より堅固にしますね」
「そうするで、そして難攻不落なまでにな」
そう呼ばれるまでにというのだ。
「堅固なもんにするで」
「厦門は栄えています」
「それだけにですね」
「守りを堅固にしますね」
「そうしてくで」
こう言ってだった。
美蓮は城壁を壊してすぐに厦門に使者を送って降伏を促した、するとだった。
自慢の城壁を壊された厦門側はそのことに驚愕し戦意が極めて落ちていたのでその勧告を二つ返事で受け入れた。それには美蓮側が提示した降伏条件がいいこともあった。
「誰の命も取らない」
「勢力圏の街や村と同じ条件での統治にです」
「税金もそのままだとは」
「敵であった者達もそうとは」
「また寛容ですね」
「いや、星の人で過酷な統治ってないし」
美蓮は周りの将兵に戦を終え降伏を受け入れ福州への帰路についたところで周りの将兵達の言葉に応えた、今は馬上にいる。
「そもそもあたしは敵を殲滅するのが仕事やないから」
「星の方はこの世界を救う」
「その為におられるからですね」
「だからですね」
「そうやさかい」
だからだというのだ。
「そうしたことはせんで」
「そうですか」
「敵を殲滅することはですか」
「そして過酷な統治もされないですか」
「そうなのですね」
「そやで、むしろ世界を救う人が苛政なんか敷いたら」
それこそと言うのだった。
「そんな資格ないやろ」
「そう言われますと」
「暴君の様な統治をしてはです」
「確かに世界を救えるかと思います」
「民を苦しめる者が出来るのかと」
「そやろ、そうやさかいな」
だからこそと言うのだった。
「あたしも他の星の人もや」
「敵であった者でも降ればよし」
「その統治は差別はしない」
「そうされるのですね」
「そやで、ただそれぞれの特徴は頭に入れて」
美蓮はこうも言った、見れば乗馬の技術はそれなりだ。さして苦手でもなければ上手でもない。ドワーフなので足は短いが小さい馬に普通に載っている。
「そうして統治していってるやろ」
「はい、そうですね」
「それぞれの街や村の特徴も把握されて」
「そうしてですね」
「それぞれの特徴を活かして治めておられますね」
「差別はせんけどな」
敵であったりしたことからというのだ。
「それぞれの違いはな」
「頭に入れてですね」
「そうして治めていき」
「そのうえで発展させていっていますね」
「何処にも同じことをしても結果はよおないさかい」
街や村の特徴を考慮せねばというのだ。
「そうやさかいな」
「それで、ですね」
「差別や贔屓はせずとも」
「特徴は踏まえて治めていっているのですね」
「そやで、ほな福州に戻った
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