第十二幕その十二
[8]前話
「イギリスにいるってね」
「言ったんだね」
「そうよ、そしてね」
「そのサラでもなんだ」
「よくわかるわ」
「僕がすぐに結婚出来るって」
「そうよ、もう即座にね」
先生に断言して言います。
「結婚出来るわ」
「だから相手の人がいないのに」
「そう思ってるだけよ」
先生がというのです。
「だからね」
「それでなんだ」
「そう、もうね」
それこそというのです。
「ちょっと周りを見たらね」
「相手の人がいるかな」
「いるわよ、だから私でもわかるのよ」
普段はイギリスにいて先制の詳しいことを知らないサラでもというのです。
「兄さんがどれだけ結婚に近いか」
「すぐにかな」
「兄さんが周りを見てね」
そうしてというのです。
「そしてね」
「相手の人がいるんだ」
「そのことに気付いたら」
その時はというのです。
「結婚なんてすぐでね」
「ダイアモンド婚式までもなんだ」
「すぐよ」
本当にというのです。
「ダイアモンド婚式までは長いけれどね」
「六十年だからね」
「けれどその前の段階の結婚はよ」
「すぐだね」
「ええ、それにとてもいい人だから」
サラはこのこともわかっています。
「浮気とか喧嘩もなくね」
「穏やかにだね」
「結婚生活を過ごせるわ」
「六十年の間なんだ」
「そうよ、だから周りを見ることよ」
まずとはというのです。
「いいわね」
「そうすればいいんだね」
「兄さんはね」
「ううん、周りだね」
先生はサラの言葉を聞いて考えるお顔になって言いました。
「僕が見るべきは」
「そう、見たらね」
そうすればというのです。
「本当にね」
「わかるんだね、僕も」
「見ればね」
「そうなのかな」
「普通の人はね」
先生を見て言いました。
「まあ兄さんは尋常じゃない鈍感さだけれど」
「そうかな」
「そうよ、けれどいいわね」
サラは先生にあらためて言いました。
「結婚するのよ、周りを見ればすぐだから」
「努力はするよ」
「そっちの努力もお願いするわ、そして兄さんも六十年よ」
こう言ってサラは紅茶を飲みました、そのサラも先生もダイアモンド婚式を迎えることになりますがこの時サラはそれはかなり難しいと思っていました。
ドリトル先生のダイアモンド婚式 完
2022・1・11
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