暁 〜小説投稿サイト〜
ドリトル先生のダイヤモンド婚式 
第十二幕その十

[8]前話 [2]次話
「全くないね」
「その通りだね」
「先生は本当に他の人を嫉妬しないよ」
「その人に何があっても」
「幸せになっても素晴らしいことをしても」
「嫉妬しなくて」
「ひがまないよ」
 皆はまた先生に言いました。
「だからいいんだよね」
「尚更ね」
「そうしたマイナスの感情がないから」
「余計に幸せなんだよ」
「そうかもね、そうした感情はわからないからね」 
 妬んだりひがんだりはです。
「最初からないから」
「そうだね」
「それはないよね」
「全くね」
「先生の場合はね」
「運動が出来る人を見てもね」
 運動は全く出来なくてもです。
「自分は出来ないと思うだけでね」
「そうした人を羨むこともなかったんだね」
「ひがむことも」
「ただ学問に勤しんで」
「それだけだったね」
「そうだよ、他のことはね」
 これといってというのです。
「なかったよ」
「それで幸せだったね」
「本当に妬んでもひがんでもね」
「何かあるのか」
「そこから努力は出来るけれど」
「それなら自分もって思ってね」
「ただ妬んでひがんでは何にもならないし」
 それにというのです。
「そこからそう思う人を陥れたら最悪だよね」
「確かにね」
「まさにその通りよ」
「それでどうなるのか」
「一体ね」
「そう思うからね」
 それでというのです。
「僕は自分にそうした感情がないことに感謝しているよ」
「幸せは素直におめでとう」
「他の人のそれはそう言っていいね」
「それと言って思うことはない」
「そうだよね」
「そうだよ、素直に喜べばいいんだ」 
 そうすればというのです。
「本当にいいよ」
「まさにそうだね」
「だから今もお二人を祝福出来るね」
「それも素直に」
「その通りだね」
「全くだよ、じゃあ一緒にお祝いしようね」
 こう言ってでした。
 先生は皆と一緒に笑ってお二人を祝福しました、そうしてご自身も幸せな気持ちになりました。そして暫く経ってです。
 先生はお家に来たサラに言われました。
「よかったわね、プレゼントも喜んでもらえたのね」
「そうなんだ」
 先生はサラに満面の笑顔で応えました。
「有り難いことにね」
「それは何よりね、ただね」
「ただ。どうしたのかな」
「兄さんもダイアモンド婚式を迎えたいわ」
「それを言うならサラがじゃないかな」
 先生は紅茶を飲みながらサラにこう返しました。
「だって結婚してるんだし」
「私もで兄さんもよ」
 サラは先生にこう返しました。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ