第五百九話 歌も歌いつつその二
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「演奏でしたら」
「歌もよさそうですね」
七海は笑顔で言った。
「オーストリアさんは」
「ではですね」
「はい、よかったら」
オーストリアに期待する様に言うのだった。
「歌もお願いします」
「それでは」
「期待しています」
「早く歌いたいものです」
リリアナは護堂の横で待ち遠しい感じであった。
「私も歌は好きなので」
「うん、リリアナも上手だよ」
美雷はリリアナの歌唱力に太鼓判を押した。
「本当にね」
「そう言って頂けますか」
「だからね」
それでと言うのだった。
「私楽しみにしてるね」
「それに添う様にします」
「半蔵、貴女も歌いなさい」
千は隣にいる彼女に声をかけた。
「貴女も上手だから」
「えっ、私がですか」
「そうよ、たまには私の傍を離れてね」
そうしてというのだ。
「歌えばいいのよ」
「ですが今の姫様のお姿を見ますと」
浴衣がはだけ過ぎて紫のビキニが丸見えだった。
「放っておけません」
「そうなの」
「あの、足を崩して座られていますが」
正座をそうして所謂女の子座りになっている。
「もう胸元も太腿もです」
「出てるわね」
「それで水着も」
そのビキニもというのだ。
「丸見えです」
「水着だからいいでしょ」
「いえ、下着でなくとも」
それは事実だがというのだ。
「充分過ぎる程刺激的ですから」
「そんな姿なの」
「もう少し恥じらうお姿であれば」
「というか千さんっていつもこうよね」
「そうよね」
クロエはアリス=ロンドの言葉に頷いた、見れば千は酒を飲んでいて肌が桜色になっている。今も手にはおちょこがある。
「お姫様だけれどね」
「無防備よね」
「だから露出もね」
「かなり多いわね」
「あの、もっとです」
朱菜もどうかという顔で千に注意した。彼女は乱れておらず正座のままだ。
「千さんはきちんとした服装で」
「いいでしょ、無礼講だし下は水着だし」
「だからですか」
「水着は見せてもいいし」
「いや、普段も結構下着になってますから」
オットーは吸いものを飲む手を止めて千に突っ込みを入れた。
「何かあれば」
「わざとじゃないわよ」
「わざとじゃなくてもです」
千の場合はというのだ。
「ブラもないとかじゃないですか」
「下はいつも穿いてるでしょ」
「一枚だけじゃないですか」
オットーは感情を出して言い返した。
「見ている方がどれだけ戸惑うか」
「安心しなさい、私は見られてもそれ位なら殴らないわ」
「そのことは安心出来ますが」
「そうそう怒ったら徳川家の人間として器が知れてるからね」
「器を考えるならだ」
ユリウスは千の今の姿から目を離して述べた。
「身だしなみもしっかりして欲し
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