第二章
[8]前話
梓は彼女にだ、職場の休憩時間に笑顔で話した。
「佳奈の言う通りにね」
「屋内でしてよかったでしょ」
「ええ、お外での式って素敵でね」
「結婚式は一勝の思い出よ」
「そうしたものだからね」
それでというのだ。
「素敵なものにしたいし」
「あんたそれでいきたかったけれど」
「寒くて大雪なら」
そうした天気ならというのだ。
「やっぱりね」
「しない方がいいわね」
「ええ」
その通りだとだ、梓は佳奈に答えた。
「若しやってたら素敵などころか」
「最悪の思い出になっていたわね」
「散々でね」
「だからよ、幾らそうしたくても」
「その時の状況を見ることね」
「さもないと素敵な思い出どころか」
「最悪の思い出になるわね」
梓は自分から言った。
「そうなるわね」
「そうよ、そうならない為にも」
まさにというのだ。
「今回みたいにね」
「幾らそうしたくても状況を見て考える」
「気温とかお天気も」
「そうしてよ」
「考えて決めることね」
「そうすれば一生の素敵な思い出になれるわ」
「そうね、けれど佳奈よくそんなことわかってるわね」
梓は佳奈の言葉に頷きつつ彼女に怪訝な顔で問うた。
「どうしてなの?」
「いや、小学校の時運動会するのに台風来て」
「そこでやったの」
「先生が無茶言ってね」
「それで最悪の思い出になってるの」
「運動会は大好きなのに」
佳奈はこのことは憮然として話した。
「だからね」
「今こう言うのね」
「そうよ、あんたはそうならなくてよかったわ」
心からだ、佳奈は梓にこうも話した。そうして彼女にこれからも幸せにと笑顔で告げることもした。
一生の思い出はお天気次第
2022・9・18
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ