第二章
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「もうどう考えてもな」
「詐欺よね」
「よく変なメッセージとかでもあるな」
「業者さんみたいな人からね」
「そういうのは全部同じ様な文章でな」
それでというのだ。
「内容もな」
「同じ様なものね」
「そんなの誰が信じるんだ」
「それがいてね」
そうしてとだ、妻は夫に話した。
「どうもね」
「騙される奴いるか」
「そうみたいよ」
「そんな馬鹿いるんだな」
夫は冷めたもっと言えば軽蔑しきった目で述べた。
「世の中には」
「ええ、何も考えずに飛び付いて」
そうした話にというのだ。
「騙されてね」
「お金獲られるな」
「そうみたいよ」
「詐欺師に騙されるんだな」
「あからさまなね」
「ちょっとは考えろ」
騙される人間に対してだ、夫は心から思った。
「そう簡単に稼げるか、上手い話には裏があるしな」
「何かしらね」
「そんな楽に稼げるならな」
それならというのだ。
「誰にも話さないでな」
「自分だけが儲けるわね」
「そうするものだ、人を儲けさせるなら」
「自分だけがってなるわね」
「それが人間だろ、だからな」
それでというのだ。
「そんな話最初からな」
「信じないことね」
「そうだよ、本当にな」
それこそというのだ。
「だからそんな話はな」
「最初からね」
「信じる方が馬鹿だ、それでその話でそのうち事件が起こるかもな」
妻が言った話からとだ、夫はクールに言った、そして実際にだった。
暫くしてその手口で金を騙し取っていた詐欺師が捕まった、それで夫はまた妻に言ったのだった。この時も二人は家の中でくつろいでいた。
「だから上手い話にはな」
「裏があるわね」
「そうだよ、あからさまにいい話はな」
「よからぬものがあるってことね」
「そうだよ、本当に世の中馬鹿がいるな」
「あからさまな話に騙される」
「本当にいるものだな」
こう言うのだった、そしてだった。
夫は自分のスマートフォンを観た、そのうえで優勝は絶対に無理かと呟いたが妻はそんな彼に即座に最下位より遥かにましだと返した。
あからさまな地雷 完
2022・9・18
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