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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第126話:見えない駒
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なった際も、ガリィは極力逃げに徹しようとしていた。マリアとの戦闘の時の様な攻勢はあまり見せず、ジェネシスの援軍が来るまで回避と防御に専念していたように思える。
「アタシら装者は極力生かして、でも魔法使いは始末したい。純粋に計画の邪魔者を排除したいってのとは違う感じだな」
「そこなんだよ。連中が本気で計画の邪魔者を排除する気なら、初戦でギアを破壊された翼ちゃんやクリスちゃんが見逃されたのがどうにも腑に落ちない。俺に対しては初っ端から殺意全開だったのにだぞ?」
装者に期待出来て、魔法使いに望めない事。それを考えて真っ先に出てきたのはやはり歌の有無であった。魔法使いは錬金術と同じく魔力を用いるが、装者は戦いに際して常に歌を必要としている。
「……歌、か。でもそれなら何で最初翼達はギアを破壊されたんだ?」
「前のギアと今のギアの違いって言えば?」
「…………イグナイト、か」
結論はそこに行きついた。目的が何かは分からないが、キャロル達はイグナイトモジュールを搭載したシンフォギアを必要としているように見える。そう考えるとエルフナインはやはり敵なのかと言う考えが浮上してしまった。
颯人が態々部屋を変えて、奏だけを呼び出したのはそう言う理由だ。こんな話、響やクリス、切歌や調の様な純粋組にはとても聞かせられない。
「あと気になると言えば神社だな」
奏から聞いた話だが、買い出しに向かった先の傍にある神社が何者かにより破壊されていた。それも無数の巨大な氷柱により。魔法か錬金術……ガリィが来ていた事から恐らくは錬金術によるものだろう。
問題なのは、ガリィは何故何の変哲もない神社を破壊したのかという事。
もし颯人達の目を引きたいが為なのだとしたら、もっと派手にやるべきだ。神社の破壊に関しては颯人達も全く気付いていなかった。奏達が買い出しに向かう様な事が無ければ、きっと気付かぬ内に終わっていただろう。
一体何故ガリィは神社を破壊したのか?
何故オートスコアラーは装者を確実に殺そうとはしないのか?
まだまだ疑問は多いが、今は”何故?”が多すぎて答えが見えてこない。まるで相手の駒が見えない将棋かチェスでもやっている気分だ。こちらが適当に動かしている間に、向こうは着々と手を進めているような気がする。
「せめてあの人形の1体でも潰して状況を動かせればなぁ……」
颯人のそんな呟きは、奏以外誰の耳に入る事も無く静かな部屋の中に消えていった。
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