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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
GX編
第126話:見えない駒
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事のある響の言葉が重く室内に響き渡る。普段明るい彼女が、顔に影を落としてまでそう言うという事は、シンフォギアの暴走は装者にとって相当な負担となるのだろう。
室内に重い空気が漂う。その空気を払う様に声を上げたのは、他ならぬこの男だった。
「ま、そればっかりは俺達がどうこう言っても始まらねぇよな」
その男……颯人の言葉に全員の視線が集まる。全員の視線が集まっているのに気付いてか、颯人は手の中のトランプを扇状に広げるとハンカチを被せ、次の瞬間にはそれを紫のアネモネの花束に変えてしまっていた。
「その言い方は薄情だろ!?」
颯人の言葉に真っ先に噛み付いたのはクリスだった。何だかんだで仲間想いの彼女は、颯人の口にしたマリアを見捨てるかのような言葉が気に入らなかったようだ。なまじっかクリス自身一度はイグナイトの起動に失敗しながらも、それを乗り越えて新たな力を物にしただけにマリアも同様に困難を乗り越えられると考えていたらしい。
だが颯人はクリスの言葉を受けても肩を小さく竦めるだけであった。
「そうは言ってもさ、実際俺達に出来る事って何かある? マリアに対してさ」
「それは……」
「アタシ達はマリアと付き合いが短すぎる。そんなアタシ達が何をしようが、マリアにとっては逆に辛いだけの慰めにしかならない……そういう事か?」
颯人の返しに言葉を詰まらせたクリスを見て、奏は颯人が言わんとしている事を口にした。それを聞いて颯人は花束を奏に渡す。
「そう言うこった。仲間を思いやる気持ちは大事だが、それに突き動かされてるだけじゃいけないぜ。時には待つ事も大事だ」
「でも、それじゃマリアが辛いだけ……」
「私達に、何か出来る事は無いんデスか?」
颯人の言いたいことは分からなくもないが、さりとて「はいそうですか」と引き下がれないのも確か。何か自分達に出来る事は無いかと言う切歌と調を、颯人は顎に手を当てながら唸った。
「ん〜、君ら2人ならワンチャン……と言いたいところだが、マリアにとって君らは仲間であると同時に守るべき存在だろうからな。意地張って気丈に振る舞おうとするかもしれねぇ。端的に言っちまえば、逆効果なんて可能性もありえる」
「そんな……」
「颯人さん、何か案はありませんか?」
自分達は何も出来る事が無いと言われて沈む切歌と調を一瞥し、それでも何か出来る事は無いかと翼が颯人に訊ねる。一度は颯人に悩みを聞いてもらった事もある関係で、颯人なら何かマリアを元気づける方法が思いつくかもしれないと期待したのだろう。
とは言え颯人の本職は手品師でありカウンセラーではない。メンタリストの様な事もするが、本職のカウンセラーに比べれば彼に出来る事など高が知れている。
「俺の手品を楽しんだだけで元通りに
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