第六百七十話 戦い終わって日が暮れてその十
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「力士さんの体格も好きだしね」
「大きくて堂々とした体格がか」
「野上君好きなんだ」
「子供の頃力士になりたいとは思わなかったけれど」
それでもというのだ。
「ああした体格になることはね」
「夢見ていたのか」
「子供の頃は」
「そうだったんだ」
実際にというのだ。
「それでよく食べようと思った時期はあるけれど」
「それでもか」
「ああはなれなかったんだね」
「残念なことにね」
そうだったというのだ。
「僕もね」
「まあ力士さんはな」
ライゾウはカルビを食べながら話した。
「それが仕事だからな」
「食べることもね」
「だからだな」
「かなり食べるんだよ」
「そうだよな」
「もうどんどん食べて」
そしてというのだ。
「どんどん大きくなるな」
「そうだよ、二メートルあって」
それでというのだ。
「小柄だからね」
「力士さんはな」
「連合の平均身長は一九〇で」
成人男子のそれはだ。
「力士さんは二メートルでも丁度だとね」
「小柄なんだな」
「二メートル十や二十だと」
それならというのだ。
「普通だよ、そんな世界だから」
「二メートル丁度で小さくてか」
「それで食べることはね」
「物凄いんだな」
「それで僕は力士さんみたいに食べられなかったから」
だからだというのだ。
「力士さんになることはね」
「諦めたんだな」
「そうだったんだ」
焼いたカルビを食べながら答えた。
「それで勉強は理系が得意で」
「それでか」
「大学はそっちに進んで大学院までいって」
そうしてというのだ。
「就職しようと思ったら」
「博士の求人見てか」
「何か面白そうだから募集して」
そしてというのだった、実は野上君は就職活動はしようと思えばそこでいきなりインターネットの求職欄で博士のそれを見たのだ。
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