見滝原中央駅崩壊
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
体を足場にジャンプ。イリスの頭上より、千鳥で斬りつけた。
無論、それも威力は足りない。イリスにとっては、蚊ほども感じないだろう。
だが。
「っ!」
イリスは、完全に可奈美へ敵意を向けている。
「こっちだよ!」
少なくとも、イリスを人口密集地から引き離すことは出来るかもしれない。
「行くよ、迅位斬!」
可奈美の千鳥から、雨粒を切り裂く刃が放たれる。
イリスは触手の間に虹色の幕を張り、可奈美の攻撃を防いだ。
切り取られ、飛んで行く触手たち。それらを見送りながらも、可奈美はさらにイリスへ接近。
「可奈美ちゃんッ!」
「遅れてごめん!」
そして、イリスの頭上より、友奈と響がその姿を現わす。二人はその巨大な拳で、イリスの両肩を叩く。
いきなりの不意打ちに、イリスは体勢を崩す。その隙に、可奈美はイリスの首へ日本刀を振り下ろす。
だが、まだ有効打には程遠い。
起き上がったイリスは、全身より音波を放つ。
体に集まっていく可奈美、響、友奈を同時に吹き飛ばすそれは、三人を近隣のビルの屋上に墜落させた。
「ぐっ……」
イリスはそのまま、可奈美が墜落したビルの屋上へ、触手の雨を降らせる。
だが。
触手の先に、無数の漆黒の魔法陣が現れた。
それは、触手を数か所に分けて拘束し、その動きを封じている。それを行っているのは、上空のキャスター。
「キャスターさん!」
可奈美は驚く。
キャスターはさらに、拘束した触手を動かす。
伸ばすよりも早く動かしたそれは、イリスを見滝原中央駅の駅ビル屋上に投げ戻した。
イリスの重量を受け、一部が潰れる駅ビルの屋上。
さらにキャスターは、右手を頭上に掲げた。
彼女の傍らの本が勢いよくめくられ、ページを示す。漆黒の魔法陣が記されるそれ。
それは、彼女が幾度となく広範囲へ攻撃を放ってきたものだった。
「ディアボリックエミッション」
通常ならばより広い空間ごと攻撃していくものだが、今回はそれを収束。キャスターの手のひらから球体状に大きくなっていくそれを、キャスターはイリスへ叩き落とす。
「えっ!?」
「待ってキャスターさん!」
「まだ中に人がッ!」
後ろの三人が口々に叫んでいる。
だが、キャスターはどうやらその言葉に従うよりもイリスへの攻撃を優先したようだ。
ディアボリックエミッションに圧され、イリスの体が見滝原中央駅の駅ビル、その屋上から落ちていく。
見滝原中央駅の駅ビルは、高さも広さも大きい。イリスの体は、そのまま天井を突き破り、
駅ビルの吹き抜け、そのフロアに激突する。
破壊されたコンクリートの欠片が、雨のように施設内に降り出していく。あちらこちらに散らばる
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ