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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 
第十二幕その三

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「あらかた終わってね」
「それでだね」
「皆で順番にね」
「プレゼントをお渡ししていくね」
「そうよ、だからね」
「今はだね」
「用意はしているけれど」 
 それでもというのです。
「お渡しするのはね」
「先のことだね」
「そうよ、先生もだよ」
「そのつもりだよ」
「そうよね、それじゃあね」
「まずはね」
「お二人のダイアモンド婚式をね」
 まさにそれをというのです。
「お祝いしましょう」
「それじゃあね」
 笑顔で応えてでした。
 先生は皆と一緒にダイアモンド婚式に参加しました、式はお二人を中心に実に穏やかで楽しく進みますが。
 映像に映し出されるお二人の結婚生活にです、皆はしみじみと思いました。
「時代を感じるね」
「そうよね」
「六十年のね」
「お二人共最初は若くて」
「背景も昭和だね」
「お家も建物も古いよ」
 そうしたものだというのです。
「写真は最初は白黒だし」
「お二人の子供の頃とか」
「戦争中なんてね」
「それがカラーになっても」
「年代を感じさせるものだし」
「後ろの電線とか電柱も今と違うし」
「テレビのアンテナも」
 こうお話するのでした。
「アンテナのないお家もあったりして」
「オート三輪もあるし」
「服だって昔のもので」
「髪型だってね」
 見ればそうでした。
「お子さんが産まれてお孫さんもで」
「その中で周りも服装も変わっていってるね」
「ベルボトムのズボンとか」
「親戚で長髪のビートルズみたいな人もいたり」
「あの人だね」
「今じゃすっかりお爺さんの」
 写真に出ていると紹介されているお二人の親戚も白髪頭のお爺さんを見てそのうえでお話をするのでした。
「あの人も昔はああだったんだ」
「信じられないけれど」
「あの人さっきの写真じゃマッシュルームカットだったし」
「それもビートルズだね」
「ビートルズは日本でも人気があったからね」
 先生は写真のもう半世紀は前のお二人がはじめて買った車を見ながら言いました、それもしみじみとした目と声で。
「だからね」
「それでだね」
「ビートルズの恰好する人もいたのね」
「日本でも」
「そうだね」
「そうだよ、それも時代だよ」
 ビートルズもというのです。
「そしてその後でね」
「お子さんが大きくなって」
「昭和も進んできたね」
「五十年になるとすっかり変わってるね」
「服装も街並みも」
「車も随分とお洒落になったわ」
「そしてね」
 先生はさらに言いました。
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