第五百八話 山海の珍味をその十六
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「もうな」
「悪人であることはですね」
「間違いないよ、力を手に入れても」
「例えそれがどういったものでも」
「それに溺れてな」
そうしてというのだ。
「やりたい放題やって沢山の人を犠牲にするなら」
「悪人ですね」
「本物のな」
「それで直行さんのお友達も」
「悪人だよ」
まさにというのだ。
「君達の世界にいたクラムベリーやファヴと同じだよ」
「そうですよね」
「そう思うと」
直行はベートーベンそれにモーツァルトを見て述べた。
「この人達は悪人じゃないよ」
「ご自身の力に溺れていませんし」
「他の人を犠牲にしていないからね」
「だからですね」
「悪人じゃないよ」
このことは間違いないというのだ。
「破天荒で迷惑でもね」
「そうですね」
スノーホワイトも微笑んで頷いた。
「この人達は」
「そうだよ」
「本物の悪は違うものだ」
建御雷はうつぼを食べつつ話した。
「我々がこれまで見てきた通りだ」
「そうですね、悪と言っても色々ですが」
ゆうぎりが応えた。
「同じと言えることがあるでありんす」
「救い様のないな」
「どうにもならないもので」
「邪悪かドス黒いものだ」
「吐き気を催す様な」
「そういうものだ」
「悪魔がよくそうだと言われるけれどね」
その悪魔のリアスの言葉だ。
「心がどうかね、アスタ達の世界にしてもな」
「あの連中は最悪だ」
レオポルドもこう言う。
「悪魔がどうかじゃなくてその心がな」
「人を何とも思わないで利用して潰れても平気な」
「そんな連中だ」
「自分の目的の為だけにね」
「それが出来る奴が悪だな」
「そうね、そのことが私もこれまでの戦いでわかったわ」
リアスは酒を飲みながら述べた。
「正真正銘の悪は何か」
「自分の目的だけに人を利用して犠牲にしても嗤える奴だな」
「それが悪よ」
「本当にそうだな」
「そのことがわかったわ」
酒を飲みつつ言うリアスだった、だが自分が歌う番になると歌いその歌は見事なものだった。宴はまだ続いていた。
第五百八話 完
2022・2・15
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