第三十五話 合コンに着る服その三
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「パーティーだろ」
「アメリカでよくやる」
「実際俺のクラスにもアメリカ人いるけれどな」
「あんたも八条学園だしね」
「中等部でも半分位外国から来てるからな」
生徒の約半分が他国からの留学生でというのだ。
「黒人、アフリカ系か」
「そう、アフリカ系って呼ぶことよ」
かな恵もそれはと言った。今では黒人ではなくアフリカ系アメリカ人と呼ぶのが基本的なマナーになっているのだ。
「そうよ」
「ああ、それでアフリカ系のジョーンズがな」
「その子が言ってたの」
「合コンってパーティーだろってな」
「アメリカじゃそうなるのね」
「それで俺が思うにな」
「合コンは相手を見付ける場所で」
かな恵は自分から言った。
「パーティーは顔見知り同士でやるものね」
「そうじゃねえか?」
「そうなる?けれど言われてみればね」
弟の話を聞いてそれはとなって言った。
「確かに合コンとパーティーってね」
「同じ様なものだろ」
「どう違うかって言われるとね」
「わからないよな」
「ちょっとね」
こう弟に答えた。
「飲んで食べて楽しくやるし」
「歌も歌うよな」
「カラオケボックスでやるからね」
「だったらな」
「同じね」
「そうだろ、けれど楽しいならそれでいいだろ」
弟は今度はこう言った。
「姉ちゃん達がな」
「この服もいいし」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「変なことするなよ」
姉をじと目で見て言ってきた、言いつつ心はゲーム画面に向いている。
「シンナーとかいやらしいこととかな」
「シンナー!?する筈ないでしょ」
かな恵は明男にむっとして返した。
「あんな身体に悪いもの」
「だったらいいけれどな」
「皆あんなのしないわよ」
かな恵はさらに言った。
「明らかに身体に悪いのに」
「そうだよな、俺だってしないしな」
「気持ちよくなるとか聞くけれど」
「確実に身体に悪いからな」
「特に頭にね」
「この前シンナーの話聞いたんだよ」
中毒者のそれをである。
「だからな」
「今言ったのね」
「ああ、何であんなのするんだってな」
「あんた思ったのね」
「麻薬にしてもな」
「それもしないわよ。というか私お酒飲むから」
かな恵は自分のことから話した。
「だからね」
「シンナーはしないか」
「麻薬もね」
「だったらいいけれどな」
「そうよ」
「それじゃあいやらしいこともかよ」
「さっき言ったでしょ、私も成海っちもね」
二人共というのだ。
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