西ゼムリア通商会議〜メンフィルの罠〜
[9/14]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
反論したセドリックだったがシルヴァン皇帝の指摘を聞くと辛そうな表情で唇を噛み締め、オリヴァルト皇子は辛そうな表情で呟いた。
「当然だ。メンフィルにとってアルノール皇家の中でもユーゲント三世が最も信用できない人物だ。”黄昏”に諍う事を諦め、オズボーン宰相に全てを委ねた結果、メンフィル、クロスベル、そしてリベールを巻き込んだ世界大戦へと発展させたのだからな。この際言わせてもらうが、連合の盟友となり、戦争序盤から今まで共に戦ってきたヴァイスラント新生軍の総主宰であるミルディーヌ公女の執り成しや灰獅子隊の一員としてリィン達と共に戦い続けたアルフィン皇女やヴァンダール家のメンフィルへの貢献、後はリィン達シュバルツァー家の仁徳がなければ、賠償内容の中にユーゲント三世の身柄をメンフィルに引き渡し、引き渡されたユーゲント三世が”斬首刑”にされることも受け入れる事を加えていた。」
「こ、皇帝陛下が”斬首刑”………」
「そんな…………それでは、もしミルディーヌ公女殿下の執り成しやアルフィン皇女殿下達のメンフィルへの貢献、シュバルツァー家の仁徳がなければ、ユーゲント陛下は………」
「……………………」
不愉快そうな表情を浮かべて語ったシルヴァン皇帝の話を聞いたレーグニッツ知事は表情を青褪めさせ、クローディア王太女は悲痛そうな表情を浮かべ、アリシア女王は重々しい様子を纏って黙り込んだ。
「あの……話を逸らす事になって申し訳ないのですが、先程シルヴァン陛下はシュバルツァー家の令嬢達が令嬢達にとって”兄”であるシュバルツァー将軍と婚約されていると仰いましたが……」
「事実だ。リィン達の事を誤解させない為にも先に言っておくがリィン達の結婚は兄妹間の結婚だからと言って、”近親婚”ではない。リィンはシュバルツァー家の”養子”の為、”義妹”であるエリゼ・エリス姉妹とは血の繋がりは一切ないのだからな。」
「なんと……シュバルツァー将軍は養子だったのですか……」
(さすがにリィンが”鉄血宰相”の息子であるという事実を口にするのは控えたようだな。)
(フフ、もしそれをここで口にしたら、話が更に逸れて会議が長引く事は目に見えていたから、控えたのでしょうね。)
戸惑いの表情のルーシー秘書官の疑問に対して答えたシルヴァン皇帝の説明を聞いたアルバート大公は驚きの表情で呟き、シルヴァン皇帝がある事実を口にしていない事やその意図に気づいたヴァイスとルイーネはそれぞれ苦笑しながら小声で会話していた。
「……第7条を定めた貴国の意図は理解しました。ですが、将来エレボニアの上流階級の関係者とこの書面に書かれているメンフィルの上流階級の関係者が恋仲へと発展してもこの賠償内容によって結婚はできない為、人権面での問題が発生すると思われ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ