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英雄伝説〜灰の騎士の成り上がり〜
西ゼムリア通商会議〜メンフィルの罠〜
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実際にありえるかもしれない事である事にすぐに気づいて複雑そうな表情を浮かべて答えを濁し、アルバート大公はシルヴァン皇帝に指摘した。

「既に”内戦の最中、アルフィン皇女がかつてのエレボニア帝国貴族でアルノール皇家とも縁があり、今はメンフィル帝国貴族であるシュバルツァー家を頼った事で、シュバルツァー家がアルフィン皇女の潜伏場所としてユミルを提供した前例”があるのに、何故我らの推測が”被害妄想”と言える?」

「そ、それは…………」

目を細めて反論したシルヴァン皇帝の反論に対して答えられないルーシー秘書官は複雑そうな表情で答えを濁し

「”前例”があるからと言ってそれとこれとは別問題と論ずるつもりなら、具体例を挙げてやろう。――――――エレボニアの政府の関係者もそうだが貴族達がエレボニアの信頼回復や賠償金の減額等の為にシュバルツァー家の令嬢であるエリゼ・エリス姉妹のどちらか、最悪はその両方をセドリック皇太子かオリヴァルト皇子、もしくはその両方の”正妃”として迎える等と言った本人達もそうだが、二人と既に婚約を交わしているリィン自身も怒りを抱くようなあまりにも愚かな嘆願をシュバルツァー家にしてくる事だ。」

「………ッ!」

「待って下さい!僕もそうですが、兄上もリィンさんとリィンさんの妹であるお二人の仲は既に婚約関係にまで到っている事は把握していますから、例えそのような案が出たとしても、僕達アルノール皇家がそれを理由に即却下します!」

シルヴァン皇帝が口にした具体例を聞いたオリヴァルト皇子は息を呑み、セドリックは真剣な表情で反論した。



「例え皇太子達がそのつもりであっても、”シュバルツァー家ならばアルノール皇家やエレボニアの為に承諾してくれると自分勝手な希望を抱く者達”が全く出ないとまでは言えまい?何せシュバルツァー家は今回の戦争もそうだが、内戦でも”エレボニアの為の行動”をしているのだから、そんなシュバルツァー家の仁徳を”悪用”してくる者達が出て来てもおかしくないのだからな。後はユーゲント三世が第5条の実行――――――つまり、シュバルツァー家への”詫び”代わりにエリゼかエリスを自身の跡継ぎである皇太子の正妃として迎える提案をしてくる可能性も考えている。今回の戦争で衰退したとはいえ、一国の王の正妃として嫁げる事は”貴族としては名誉な事”の上、”ユーゲント三世にとって信頼できるシュバルツァー家ならば元エレボニア人である我が国の貴族に縋ろうとする他の自分勝手な考えを抱くエレボニア貴族のように自分の希望に応えてくれる”と言ったような考えを抱いてもおかしくないのだからな。」

「……ッ!」

「……シルヴァン陛下もそうですが、メンフィル帝国はそこまで父上――――――ユーゲント陛下の事を信用なされていないのですか……」
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