西ゼムリア通商会議〜メンフィルの罠〜
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ボニア帝国貴族の筆頭である君が、皇太子殿下達――――――アルノール皇家や政府の関係者達の目の前で堂々と祖国であるエレボニアではなく、他国であるメンフィルの為に本来は領土を守る為に存在する領邦軍を動かす事を予告するのは幾ら何でも問題発言だと思うが。」
シルヴァン皇帝の説明の後にヴァイスとミルディーヌ公女がそれぞれシルヴァン皇帝の説明の捕捉をし、それを聞いていたセドリックは複雑そうな表情を浮かべ、アルバート大公は真剣な表情でミルディーヌ公女に指摘した。
「フフ、その点については心配無用かと。私は衰退したエレボニアを復興させる為にはメンフィルとの外交関係を回復させる事を最優先と考えている”親メンフィル派エレボニア貴族の筆頭”である事は周知の事実ですから、私がエレボニアとメンフィルの外交関係をこれ以上悪化させない為にもアルノール皇家や政府の方針転換に従う事よりもメンフィルとの信頼関係を崩さない為の行動を選択するのは”今更”ですし…………そもそも大公閣下の私に対するそのご指摘はエレボニアに2度と戦争を起こさせない――――――つまり、エレボニアはメンフィルに報復する事は考えないという皇太子殿下達の決意を疑っている事を自白しているようなものだと、自覚されているのでしょうか?」
「そんなつもりで発言した訳ではないが……先程のミルディーヌ公女への発言は皇太子殿下達を信じているミルディーヌ公女もそうだが、皇太子殿下達に対して失礼な発言であった事は認めよう。――――――申し訳ない、皇太子殿下、オリヴァルト殿下。それに知事閣下とミルディーヌ公女も。」
意味あり気な笑みを浮かべて指摘し返したミルディーヌ公女の言葉に反論できないアルバート大公は複雑そうな表情で答えた後セドリック達に謝罪した。
「いえ……僕達は気にしていませんので、どうかお気になさらないでください。」
「貴国の大使館を設立する場所をオルディスに選んだ理由は3つあると仰いましたが……その理由の一つはもしや、貴国がミルディーヌ公女――――――カイエン公爵家を信頼されているからなのでしょうか?」
アルバート大公の謝罪にセドリックが謙遜した様子で答えた後、ある事に気づいたアリシア女王はシルヴァン皇帝に確認した。
「ああ。内戦の件でアルバレア公爵家もそうだが、カイエン公爵家に対するメンフィルの印象は”最悪”まで落ちたが、メンフィルの盟友であるクロスベルでのユーディット皇妃・キュア公女姉妹の働き、そしてこの戦争でのミルディーヌ公女のメンフィルへの貢献を考慮した結果、”少なくてもミルディーヌ公女とその跡継ぎが現役の間はカイエン公爵家の方がアルノール皇家よりは信用できる”と政府・皇家共に判断した事もあり、エレボニアでの大使館の設立場所はカイエン公爵家の本拠地でもあるオルディスを選
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