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展覧会の絵
第八話 絞首台のかささぎその九
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れますか」
「今日は。寒い絵だね」
「寒い、ですか」
「少なくとも暖かい絵ではないよ」
 十字が描いた絵の中でもだ。そうだというのだ。
「それでもね」
「その絵を観たいのですね」
「今はそうした心境だから」
 だからだと言ってだ。十字は席を立ちそれからだ。画廊に向かった。
 神父もそれについていってだ。画廊で観たものは。
 確かに寒い絵だった。色彩自体は寒くはない。
 青い澄んだ空に豊かな緑がある。そして茶色も。空と木々に大地、そして遠くには川も見える。山から川を見下ろす、そうした自然を描いたものだった。
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