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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第22節「騎士たちの想い」
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ソッ!」

歯ぎしりしながら再び氷剣を生成するダイン。
だがそれよりも一瞬早く、ミカの放ったカーボンロッドが彼の腹部を突いた。

「ごは……ッ!」

後方に吹っ飛ばされるダイン。ミカは素早く接近すると、今度は彼の横っ腹にロッドを叩き付け、薙ぎ払う。

「アハハハハハ!楽しいゾッ!オマエ、とっても強かったゾッ!でも、ミカの方がもっとも〜っと強いんだゾッ!!」
「こンの……クソガキャッ……!」

体勢を立て直す暇も与えず、続けざまに何度もカーボンロッドが叩き込まれる。
ダインも魔方陣を展開して防御するが、断続的に叩き込まれる打撃の連打に耐えきれず、やがて魔方陣は砕け散った。

「これで……ッ、バイナラ〜!」
「クソッ!やっぱこいつ、サンディに任すべきだった……がッ!?」

やがて叩き込まれたミカ会心の一撃は、ダインを埠頭の向こうまで吹き飛ばす。
ダインはホームランボールのように飛ばされ、水飛沫を上げながら海中へと沈んでいった。

「うぅ……そろそろお腹が空いてきたゾ……」

ダインが沈んでいくのを確認したミカは、腹に手を当ててポソリと呟く。
それもそのはず。氷塊から脱出する際、想い出を大量に消費したのだ。
想い出の残存量は、そこまで多くはない。

「でも、あと一回くらいなら戦えるゾ〜?」
「「ッ!!」」

その上で、ミカはキャロルからの命令を遂行すべく、装者たちへと狙いを定める。
調と切歌は顔を見合わせると、やがて奏に目を向けた。

「奏さん、すみません。少しだけ待っていてくれませんか?」
「お前ら……まさか……!?」
「アイツをなんとかしなきゃ、先に進めないデス!」
「よせ……!お前らも限界近いんだろ!?これ以上……無茶すんな!」

全身を走り抜ける苦痛を噛み殺しながら、奏は叫ぶ。
調と切歌の適合係数は、奏よりは上だ。しかし、それでも彼女らは第二種適合者。LiNKERを使用しなければバックファイアを免れない程度には低い。

その上、今使っているLiNKERは本来、奏専用に調整された旧式モデルだ。
ウェル博士が改良した最新モデルと違い薬害が強く、なにより他人用に調整された薬品を使っているのだから危険度も上がっている。

これ以上の戦闘がどれほど身体に負担をかけるのかは、2人が一番理解しているのだ。

だが……。

「分かっています。でも……」
「無茶でこじ開けなきゃいけない道理が、そこにあるのデスッ!」
「……ッ!」

2人の決意が込められた眼差しを前に、奏は何も言えなかった。

この場において、彼女達の方が正論だったのもある。
今、彼女らの代わりに、先輩として身体を張れない自分自身への悔しさもある。
だが、何より大きかったのは……“あの日”の自分に、
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