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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第22節「騎士たちの想い」
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会なのは見て取れる。

「私の敗北、ですわね。悔しいですわ、悪あがきの一つもさせてくれないなんて」
「ええ。名残惜しいですが、これでお別れです」

そう言ってシルヴァは杖を握る。
切っ先は彼女の額へ。狙いは正確に。なるべく一瞬で、確実に停止させてあげられるように。

「さようなら、ファラさん」

別れの言葉の直後、砕ける音が鳴り響いた。



ff


「くッ……!」

崩壊した壁の奥から、奏はようやく抜け出てきた。
槍を杖にし、体を支える。もう立っているのがやっとだ。

既にLiNKERの効果も限界が近い。全身が悲鳴を上げている。
それでも一歩踏み出そうとして……足がもつれた。

……と、その肩を二つの小さな背中が飛び込んだ。
何が起きたか分からず、奏は瞼を上げて左右を見回す。

「奏さん!」
「大丈夫ですか……?」
「調、切歌……」

切歌と調が、奏の身体を支えていた。
思いがけない手助けに、奏は驚く。

「今の内に離れるのデス!」
「LiNKER、もう限界時間ですよね?」
「あたしは……まだ……」
「無理しないでください!」

調の声に、思わず奏は目を見開く。

「あなただけで戦っているんじゃないんです……。今は、みんながいます」
「そうデス!奏さんはアタシ達の大事な先輩なのデス!だから、こういう時くらいは頼ってほしいのデス!」
「……ッ!お前ら……」


自分よりも年下の後輩達から向けられた、予想だにしなかった言葉。
奏はそれ以上、何も言わなかった。


「移動します。歩けますか?」
「なんとか……」
「本部に戻るデスよ!急ぐデス!」

調と切歌の肩を借り、奏は引きずられるように移動し始める。

先ほどまで戦っていたミカの方を見ると、彼女はダインによって氷塊の中へと閉じ込められた後であった。
ダインはというと、こちらを一瞥した後、特に目で追うこともなく視線を外す。

これで終わったのか。奏はどこか胸につっかえるような感覚を感じながらも脱力する。



――その刹那だった。




「ッ!?」

不吉な音を聞き取り、ダインは素早く飛び退く。


「おいお前らッ!」
「え……ッ!?」
「な、何事デスッ!?」


次の瞬間、ミカを封じていた氷塊が音を立てて粉々に砕け散った。


「な……にぃッ!?」


驚愕するダインの目の前で、ミカの全身を覆う氷の膜が徐々に消えていく。
高熱と共に立ち上る蒸気の中。そこには着衣のみが燃え尽き、髪を下ろしたミカの姿があった。

「バーニングハート・メカニクス。ミカのとっておきだゾ!」
「べらぼうな火力の決戦機能かッ!俺の氷を冷却に使いやがったな、ク
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