第22節「騎士たちの想い」
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「さすがはお師匠様の手で製造されたオートスコアラー。私たち最新型を相手取ってなお、引けを取らないその性能……お見事ですわ」
「お褒めいただき光栄です」
「ですが……ッ!」
ファラは剣を握る手に力を込め、一気に間合いを詰める。
「これはどうでしょう?」
大剣を振り下ろすと同時に、ファラはいくつもの竜巻を放つ。
竜巻はシルヴァの周囲を取り囲み、彼の視界と足場を同時に奪った。
「これは……」
「フフフ……、これで終わりですわ」
行動を制限され、視界を奪われることで生じた一瞬の隙。
その一瞬の隙を突いて、ファラはシルヴァの死角へと回り込む。
踏み込みと同時に、足裏へと発生させた小さな竜巻で加速。
更には体をひねり、大剣に回転の力を乗せる。
竜巻の合間を抜け、振り下ろされる大剣。
威力、素早さ、タイミング、全てが完璧に揃った最高の一撃。
〈トルネードバイレ〉
――並大抵の相手であれば、この一撃でチェックメイトだっただろう。
「――フッ!!」
シルヴァは素早く反応すると、ステッキを回転させて逆袈裟に振り上げる。
ファラが放った最高の一撃は、回転によって威力を増したステッキの切っ先に受け止められ、その勢いのままに狙いを逸らされた。
「ぐっ!?」
狙いを外し、たたらを踏むファラ。
シルヴァはその隙に彼女の懐に入り、ステッキの柄の部分で腹部を突いた。
「嵐よ、吠えろ」
〈ストームブリッツ〉
「ああああああッ!?」
ステッキの柄から発された竜巻と雷電に呑まれ、後方に吹き飛ぶファラ。
大剣が手を離れ、彼女は地面へと落下していく。
やがて地面に倒れ伏した彼女を見下ろしながら、シルヴァは呟くように言った。
「今のはとてもいい技でした。防御が間に合わなければ、私の頭部は繋がっていなかったでしょう」
「まさか、見切られるとは思いませんでしたわ……。いったいどうやったんですの……?」
「視覚情報を絶ち、動きを封じられれば、次に放たれる渾身の一撃は必殺となりましょう。それを回避するには、視覚に頼らず、最低限の動きでカウンターするしかありません」
「最低限の動きでのカウンターは理解できますが、視覚以外での探知ですの?」
全身から紫電を迸らせながら、ファラは不思議そうに首を傾げる。
「それは、熱源や電磁波などといった精密探知のことでして……?」
「気配、とでも申しましょうか。人間風に言うのであれば……愛でしょうか?」
「なんですの、それ……おかしなひと」
「他に言い表しようがありませんでしたので」
心底可笑しそうに微笑う彼女を見つめ、シルヴァも口元に笑みを浮かべた。
既にファラは動けない状態だ。トドメを刺すのに、これ以上ない機
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