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戦姫絶唱シンフォギアGX〜騎士と学士と伴装者〜
第22節「騎士たちの想い」
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…!」

ゲノモスの両腕に装着された、ロードローラーほどもある巨大な拳。
それを素早く避けながら、レイアはコインを射出する。

だが、銃弾以上の威力を誇るレイアのコインも、この巨大な岩腕には豆鉄砲にも等しい。
飛ばしたコインは一枚残らず全て弾かれていた。

「なるほど、大振りだが派手な威力。シャトーでの戦いでは、全力を出しきれていなかったか」
「俺様のロックアームズは、周囲の鉱物を素材に形成してるからな。シャトーを壊さず戦うのには向いてねぇんだわ」
「つまり、今のお前は全力か?」
「いいや、だが万全だ。遠慮なく性能を発揮できるからなァ!!」
「フッ……それは面白いッ!」

岩石の豪腕を力任せに振るうゲノモスと、派手でありながらも効率的な動きでそれを掻い潜り、コインによる連射で本体を狙うレイア。

それぞれ派手さに拘りを持つ者同士の、力と技のぶつかり合いが続く。

だが、その中でレイアの中に変化が訪れていた。

(……なんだ、この高揚感は)

ゲノモスと戦う中で、レイアはふとそんな事を思う。

(楽しい。今、奴と戦っているこの時間が、とても楽しい……!)

右へ、左へ。腕を振り下ろした隙を狙ってコインを飛ばす。
それが防がれ、横薙ぎに振るわれた豪腕を避ければ、今度は頭上からコインの雨を降らせた。

(互いの性能を比べ合う、という経験はガリィ達とはした事がなかったな。それが理由か?)

ヘッドショットを狙ったコインは、ハニカム状の魔法陣に遮られた。
結界での防御も忘れない、隙を生じぬ防御。
人体ではおおよそ不可能な挙動から繰り出される、人形ならではの戦法の数々。

製造されて(うまれて)初めて体験する同じ自動人形同士の戦いに、レイアの高揚感は更に高まっていく。

(ガリィやファラ、ミカとの違いは何だ……?)

次々と迫る攻撃を捌きながら、レイアは考えた。

(奴はマスターではなく、マスターの師匠によって製造されたオートスコアラー。顔を合わせたのも結社に身を置いていた頃から、シャトーでの戦いきりのはず……)

他の3人と、目の前にいる派手好きな同類との差異を思考して……ふと、いつかの会話を思い出す。

(そういえば、いつだったか“妹”に名前を付けないか、などと提案してきた事もあったな……)

結局決まらず仕舞いで、その後はこうして対立してしまっているわけなのだが……。

「どうした、考え事か?」
「むッ!?」

レイアが一瞬意識を向けた瞬間に、ゲノモスの拳が眼前に迫っていた。
咄嵯に身を捩って直撃は免れたが、体勢を大きく崩してしまう。

「くぅ……!」
「余所見してるたぁ、随分余裕じゃねぇの!」

畳み掛けるように間を詰めるゲノモス。
次の一撃は
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